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TOPICS &NEWSの解説 

  • 令和3年度税制改正

    1.法人税
     (1) DX(Digital Trnasformation)投資促進税制の創設
       産業競争力強化法の改正施行日から令和5年3月31日までの間に行われる一定のソフトウェアの新設または
       増設若しくはソフトウェアの利用(繰延資産に該当するものに限られます。)⊛1 に係る費用(事業適応設備
       ⊛2)の支出(300億円を上限)を行った場合には次の税制のいずれかが適用されます。
        ⊛1 「資産を賃借しまたは使用するために支出する権利金、立退料その他の費用」(法人税施行令第14
           条第1項6号)に該当する情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウェアのその利用に
           係る費用。
        ⊛2 事業適応計画に従って実施される一定の主務大臣の確認を受けたものの用に供するソフトウェアと
          共に事業適応の用に供する機械装置および器具備品をいい開発研究用資産は除きます。
        ① 取得価額の30%の特別償却または取得価額の3%(グループ(会社法上の親子会社関係)外事業者との
         連携の場合は5%)の税額控除(カーボンニュートラル投資促進税制と合わせて当期法人税額の20%を
         限度とします。)
        ② 繰延資産に該当する場合の支出金額の30%の特別償却または当該繰延資産の3%の税額控除(同上)
       (適用関係は、産業競争力強化法等改正施行の日から令和5年3月31日までの期間に支出、取得又は
        製作若しくは建設をした資産が対象となります。)

     (2) カーボンニュートラル投資促進税制の創設
        青色申告法人が産業競争力強化法の改正施行日から令和6年3月31日までの間に行われる①中長期環境適
       応生産性向上設備⊛1または②中長期環境適応需要開拓製品生産設備⊛2の取得等をし事業の用に供した
       場合、その取得価額の50%の特別償却またはその取得価額の5%の税額控除の選択適用ができること
       されました(DX投資促進税制と合わせて当期法人税額の20%を限度とします。)。
        ⊛1生産工程の効率化による温室効果ガスの削減その他の中長期環境適応に用いられるもの
        ⊛2中長期環境適応に用いられる製品であって温室効果ガスの削減に資する事業活動に特に寄与する
          製品その他我が国事業者による新たな需要の開拓に寄与することが見込まれる製品として主務大
          臣が定める製品の生産に専ら使用される設備
       (適用関係は、産業競争力強化法等改正法施行の日から令和5年3月31日までの期間に取得又は製作
        若しくは建設をした資産が対象となります。)

     (3) 中小企業投資促進税制の範囲の見直しと適用期限の2年間(令和5年3月31日まで)の延長
       ① 対象となる指定事業に次の事業を加えることとされました。
        ・・・ 不動産業、物品賃貸業、料亭・バー・キャバレー・ナイトクラブその他これらに類する事業(生
          活衛生同業組合の組合員が行うものに限られます。)
       ② 対象となる法人に商店街振興組合を加えることとされました。
       ③ 対象資産から匿名組合契約の目的である事業の用に供するものが除外されました。
       
     (4) 中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却または税額控除制度の適用期限(令和3年3月
       31日)での廃止

     (5) 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却または税額控除制度について、経営力向
      上計画を実現させるための必要不可欠な設備を加えた上適用期限を2年間(令和5年3月31日まで)延長す
      ることとされました。

     (6) 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却または税額控除制度
      について追加要件を課すと供に適用期限を2年間(令和5年3月31日まで)延長することとされました。

     (7) 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度について、対象法人および対象資産の範囲について見直し措置
      を講じる(令和5年3月31日までの間の取得)とともに、令和5年4月1日以後の取得資産について特別
      償却率を18%に引下げる(改正前は20%)こととされました。

     (8) 所得拡大促進税制の見直し(中小企業)
       ① 従来の継続雇用者給与等支給額および継続雇用者比較給与等支給額の増加割合要件を、雇用者給与等支
       給額および比較雇用者給与等支給額の増加割合要件に見直すこととされました。これにより継続雇用者
       の比較給与等を基礎とする必要が無くなり計算方法が簡素化されました(適用関係は平成30年4月1日
       から令和3年3月31日までの間に開始する事業年度を引き継ぐ形で令和5年3月31日まで2年間延
       長されました(令和3年4月1日開始事業年度より適用)。)。
       ② 給与等の支給額から控除する「他の者から支払いを受ける金額」(助成金等)について、雇用調整助成
       金およびこれに類するものの額は控除はしないでその判定をすることとされました。
       ③ 税額控除率を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇
       用調整助成金およびこれに類するものの額を控除することとされました。

     (9) 中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設(M&A促進税制)
       青色申告法人で中小企業者(適用除外事業者を除きます。)に該当するものについて、中小企業等経営
       強化法の改正法施行日から令和6年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受
       けたものが、その認定に係わる経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入した場合に限られ
       ます。)をし、かつ取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(取得価額が10億円を
       超える場合は除きます。)において、その株式等の取得価額の低落による損失に備えるため、当該取得価
       額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積立金額は当該
       事年度の損金とすることができることとされました。当該積立額(準備金額)は、当該事業年度の翌日か
       ら5年を経過する日を含む事業年度から5年間で均等額を取り崩し益金に算入することとされています。
      (産業競争力強化法等改正法施行の日より適用)

     (10) 繰越欠損金の控除上限の特例の創設
       青色申告法人で産業競争力強化法の改正法施行日から1年を経過する日までの間に、産業競争力強化法の
       事業適応計画の認定を受けたもののうち当該事業適応計画に従って同法の事業適応を実施するものの適用
       事業年度において特例対象欠損金がある場合、当該特例対象欠損金については、欠損金の繰越控除前所得
       金額の範囲内で損金に算入することができることとされました。

     (11) 会社法上の株式交付制度の創設に伴う有価証券の譲渡損益の計上時期
        会社法上の株式交付の対価として交付を受けた資産の価額のうち株式交付親会社株式の価額が80%以上
       である場合、その譲渡した株式に係る譲渡損益の計上を繰り延べる制度が創設されました(所得税も同
       様とされ、外国法人についての適用は恒久的施設において管理する株式に対応する株式交付に係る部分
       に限られます。)。
        この場合の譲渡損益計上時期について、株式交付の日の属する事業年度とされました(従前は効力発生日
       等の日の属する日)。(適用関係は、令和3年4月1日以後に行われる株式交付について適用され、同日
       前に行われた株式交付については従前の通りとされます。)
        
     (12) 寄附金の損金不算入制度の見直し
       ① 特定公益増進法人等に対する別枠の寄附金の損金産算入限度額について、出資に関する業務に充てる
        ことが明らかな寄附金が除外されることとされました。
       ② みなし寄附金制度について、収益事業以外のために支出した金額のうち隠蔽または仮想したものがあ
        る場合には当該支出寄附金額を除外することとされました。
       (適用関係は、令和3年4月1日以後に支出する寄附金の額について適用されます。)

     (13) 不正行為に係る費用等の損金不算入
        医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の改正に伴う、同法の課徴金及び
       延滞金の損金不算入制度が導入されました。(適用関係は、令和3年8月1日以後に支出する当該支出の
       額について適用されます。)

    2.法人事業税
     (1)  電気供給業のうち特定卸供給事業に係る法人事業税について、資本金または出資金の額が1億円超の普
       通法人の課税方式は、外形標準課税によることとし、その額が1億円以下の普通法人等にあっては収入割
       額及び所得割額の合計額によりそれぞれ課されることとされました。

    3.所得税
     (1) 住宅取得借入金等特別控除(ローン控除)の対象に新たに、床面積要件につき40㎡以上50未満㎡の住宅
       が追加されました(13年間の控除期間が認められ、合計所得金額が1000万円以下の年に限られます
       (改正前は50㎡以上で合計所得金額が3000万円以下の年に限られました(令和4年1月1日以後に確
       定申告書を提出する場合に適用されます。)。)。
     (2) 特別特例取得(消費税率が10%である場合の住宅の取得等)をした場合の住宅取得借入金等特別控除(
       ローン控除)の適用期限を令和4年12月31日までの取得とすると伴に、控除期間の3年間の延長(合計
      13年間)の特例を継続することとされました。
     (3) 特定民間住宅造成事業のために土地等を譲渡した場合の1500万円(を上限とする)特別控除について、
       次の縮減がされました。
      ① 開発許可を受けて行われる一団の宅地造成事業の適用対象からの除外
      ② 土地区画整理事業として行われる一団の宅地造成事業について、施行地区の全てが市街化区域に含まれる
       場合に限定されること
     (4) 同族会社が発行した社債の利子で同族判定の基礎となる株主である法人と特殊関係のある個人及びその親
       族等が支払を受けるものが総合課税の対象に追加されることとされました(同族判定における一定の個人
       株主については既にこの適用がされていましたが、さらにその範囲を広げて課税の強化を図ったものです
       (令和3年4月1日以後に支払を受けるものについて適用されます。)。)。
     (5) OTC(セルフメディケーション)医療費控除制度を5年間延長するとともに、①療養効果の適正性の効果が
       低いと認められるものの適用範囲からの除外②療養効果の適正性の効果が著しく高いと認められるものの
       対象化、の見直しがされました(令和4年分以後の所得税について適用されます。)。
     (6) 確定拠出年金制度(DC,DB,ideco)の見直し
       ① 確定給付企業年金制度(DB)の加入者の企業型確定拠出年金(DC)の拠出限度額を、月額5.5万円から確定
        給付企業年金ごとの掛金相当額を控除した額としました(改正前は月2.75万円が上限)。
       ② 確定給付企業年金制度(DB)の加入者の個人型確定拠出年金(ideco)の拠出限度額を、月額5.5万円か
        ら確定給付企業年金ごとの掛金相当額および企業型確定拠出年金(DC)の掛金相当額を控除した額としま
        した(2万円を上限とします(改正前は月1.2万円が上限))。
     (7) 退職所得課税の適正化
        勤続期間が5年以下(通常の事業所では有り得ない退職金)である者が支払われる「短期退職手当等」(特
       定役員退職手当等に該当しないもの)について、退職所得控除の適用後の残額の内300万円を超える部
       分については退職所得の金額の計算上2分の1とする措置を適用しないこととされました(令和4年分以
       後の所得税について適用されます。)。
     (8) 特定配当等および特定株式等譲渡所得金額に係る個人住民税について、当該所得の全てについて源泉分離
       課税(申告不要)とする場合に、原則として、所得税の確定申告のみで手続きが完結できるよう、個人住民
       税に係る附記事項が追加されることとされました(令和4年1月1日以後に提出する場合に適用されます)。
       
    4.資産税
     (1) 直系尊属から住宅取得資金贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等
       ① 令和3年4月1日から同年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合におけ
        る非課税限度額を、次の通りとすることとされました。
     (特別住宅資金)    
     項  目  改正後  改正前
     消費税等が10%適用されかつ良質な住宅の場合  1500万円 1200万円
     消費税等が10%適用されかつ一般住宅の場合  1000万円  700万円

     (住宅資金)
     項  目  改正後  改正前
     消費税等が8%適用されかつ良質な住宅の場合  1000万円   800万円
     消費税等が8%適用されかつ一般住宅の場合   500万円  300万円

       ② 受贈者の贈与(相続時精算課税制度の特例についても適用されます。)を受けた年分の合計所得金額1000
        万円以下である場合に限り、床面積要件の下限を40㎡(現行50㎡)に引き下げることとされました。
         (令和3年1月1日以後の贈与に係る贈与税について適用されます。)

     (2) 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
       ① 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
         信託等があった日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合には、その日に
        おける管理残額を受贈者が当該贈与者から相続により取得したものとみなすこととされ、贈与者の子
        以外の直系卑属に相続税が課される場合には、原則として*相続税の2割加算の対象とされることとさ
        れ、2年間の適用期限の延長がされました。
        * 例外として次の場合は2割加算の対象から除かれます。
         ・23歳未満である場合
         ・学校等に在学している場合
         ・教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
        (令和3年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権等について適用されます。)

       ② 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
        贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残額について、贈与者の子以外の直系卑属に
        相続税が課される場合には、相続税の2割加算の対象とされることとされ、2年間の適用
        期限の延長がされました。
        (令和3年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権等について適用されます(令和4年4月1日
         以後の信託等により取得する信託受益権等については、受贈者の年齢要件が18歳以上とされます(現
         行20歳以上。)。)。
        なお、上記①及び②について、その範囲に、1日当たり5人以下の乳幼児を保育する認可外保育施設
        のうち一定の基準を満たすものに対して支払われる保育料等が加えられました。

    5.消費税

     (1) 課税売上割合に準ずる割合の届出期限の変更
      課税売上割合に準ずる割合を用いようとする課税期間の末日までに承認申請を行い、同日の翌日以後1月を
      経過する日までに税務署長の受けた場合は当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から当該準ずる割
      合を適用することができることとされました(土地等の譲渡がその期末近辺で発生することにより課税売上
      割合が著しく下がるような場合に効果が生じます。)。

     (2) 国際郵便による資産の輸出(1個当たりの価額が20万円以下のものに限られます。)についての輸出免税
      を受ける場合の保管書類について、日本郵便株式会社より交付を受けた引換証及び発送伝票の控等の保存
      要件に変更されました(改正前は帳簿への記載または受取人からの一定の物品受領書)。(令和3年10月1日
      以後に行われる資産の譲渡等について適用されます。)

     (3) 母子保健法の改正により産後ケア事業として行われる資産の譲渡等について、社会福祉事業に類するもの
      として消費税を非課税とすることとされました。

    6. 租税特別措置法
     
    (1) 拡充措置 
       ① 新過疎法の制定を前提とした、特定地域における工業用機械等の5年間の割増償却制度への改組
       ② マンション建替え等の円滑化に関する法律の改正に伴う敷地売却による土地等の譲渡所得の追加課税
        からの除外規定の適用、敷地権利変換につき、完全支配関係がある場合の法人間での譲渡損益の譲渡
        調整対象資産からの除外

     (2)廃止・縮減
       ① 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却または税額控除制度の適用期限(令和3年3月
        31日)をもっての廃止
       ② 沖縄の産業高度化・事業革新促進地域における工業用機械等を取得した場合の特別償却または税額控
        除制度の対象事業・対象資産の見直しなど沖縄関係税制の見直し
       ③ 再生可能エネルギーの発電設備等の特別償却制度は適用期限の到来をもって廃止
       ④ 特定地域における工業用機械等の特別償却制度について、その取得価額の要件につき圧縮記帳後の金
        額とすること
       ⑤ 医療用機器特別償却の対象となるの対象機器の見直し
       ⑥ 特定都市再生建築物の割増償却制度の認定要件・基準面積の見直し
       ⑦ 中小企業者等の貸倒引当金の特例の法定繰入率の引下げ対象業種の見直し(割賦販売小売業、包括信用
        購入あっせん業および個別信用購入あっせん業につき千分の7に引下げ(従来は千分の13))。
       ⑧ 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る繰り延べ制度の期限到来をもっての
        廃止

     (3) 過大支払利子税制の見直し 
       ① 生命保険契約または損害保険契約に基づく保険料積立金に繰入れる予定利子の額および損害保険契約
        に基づいて払戻積立金に繰入れる予定利子の額がこの制度の支払利子の対象とされました。
       ② 対象純支払利子等の金額の計算において法人が受取る公社債投資信託の収益分配の額に係る受取利子
        等相当額を受取利子等の額に加えることとされました。
        (上記①②の適用は、令和3年3月31日以後に終了する事業年度分の法人税に適用されます。)

     (4)過小資本税制の見直し
        外国法人の恒久的施設に帰せられるべき資本に対応する負債の利子の額の計算方法の見直しがされま
        した。

     (5) 外国子会社から受取る配当等の額に係る外国源泉税等の取り扱いの見直しがされました。
       ① 益金不算入の対象となる外国子会社からの配当等に係る外国源泉税等の額の損金算入について、外国
        子会社合算税制との二重課税調整の対象となる部分の金額に限ることとされました(現行は全額損金算
        入対象。)。
       ② 益金不算入の対象外となる外国子会社からの配当等に係る外国源泉税等の額の外国税額控除について
        、その対象を外国子会社合算税制との二重課税調整の対象とされない部分の金額につきその適用が認
        められることとされました(その場合にはその対象となる外国源泉税等の額は損金不算入とされます。
        (現行は全額不適用))。
       ③ 特殊関係株主等である内国法人に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例について同様の見直しが
        されました。

    7. 納税環境の整備
     
    (1) 税務関係書類の押印義務の見直しがされました。

        以下の税務関係書類を除いて押印義務を課さないことするほか所要の措置を講じることとされました。
       ・担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち実印及び印鑑証明の添付を必要とする書類
       ・相続税及び贈与税の特例における財産分割協議書
       (令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類に適用されます。

     (2) スマートフォンを使用した決済サービスによる納付手続きの創設
        スマートフォンを使用した決済サービスに係る事項につきインターネットを利用して行う入力により国
       税の納付をしようとする場合に、国税庁が指定する納付受託者に納付を委託することができることとさ
       れました(○○payなど)。この場合において納付は、納付受託者が納付委託者から納付委託を受けた
       日に納付があったものとみなして、延滞税、利子税等に関する規定を適用するほか、納付受託者の受託
       に係る義務等について所要の措置が講じられることとされました。
       (令和4年1月4日以後に納付する国税について適用されます。)。

    8. 電子帳簿等保存制度の見直し
     
    (1) 国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度の見直しがされました。
     
      ① 承認制度の廃止
       ② 国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存要件につき以下の要件を満たすこと
        イ.電子計算機処理システムの概要書等一定の書類の備付を行うこと
        ロ.電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備付、速やかに
          出力できること
        ハ.国税庁等の当該職員の質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じること

        ニ.国税関係帳簿については正規の簿記の原則にしたって記録されていること
       ③ 上記②イおよびロの要件、現行の訂正等履歴要件および相互関連性要件並びに一定の検索要件の全てを
        満たして一定の国税関係帳簿⊛に係る電磁的記録等の保存等を行う者(その旨の届出書をあらかじめ提出
        した者に限られます。)
    につき、その電磁的記録に記録された事項に関し所得税、法人税または消費税
        に係る修正申告又は更正があった場合(隠蔽、仮装がある場合を除きます。)には、過少申告加算税の
        5%に相当する金額が軽減されること
         ⊛ 青色申告者が保存しなければならないこととされる仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿又は消費
         税の事業者が保存しなければならないこととされる帳簿(優良な電子帳簿)をいいます。
       ④ この改正に伴い、所得税の青色申告特別控除の65万円控除の適用要件について、仕訳帳および総勘
        定元帳につき国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度の要件(上記③の要件)を満たす保存
        等を行っていることをその適用要件とすることとされました(令和4年1月1日以後に法定申告期限
        が到来する所得税について適用されます。)。


      (2) 国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しがされました。
        ①
    承認制度の廃止
        ② タイムスタンプ要件につき、2か月以内(現行;3日以内)とすること
        ③ 自署の廃止
        ④ タイムスタンプの付与に代えて、電磁的記録について訂正または削除の確認ができるシステム(訂正
          または削除ができないシステムを含みます。)により保存を行うことをもって代替することができる
          こととされたこと
        ⑤ 適正事務処理要件(相互牽制、定期的検査及び再発防止にかかわる社内規定の整備)の廃止
        ⑥ 検索要件についての検索項目を、取引等の年月日・取引先・取引金額に限定するとともに、質問検
          査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じること(その場合は一定の機能の確保要件は不
          要とされます。)

      (3) 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度の見直しがされました。
        ① タイムスタンプ要件につき、2か月以内(現行;遅滞なく)とすること
        ② 検索要件につき国税関係書類に係るスキャナ保存制度と同様の措置を講じること、判定期間(個人
          にあっては前々年の1月1日から12月31日まで、法人にあっては電子取引が行われた日の属する
          事業年度の前々事業年度をいいます。)における売上高が1000万円以下である保存義務者について
          はスキャナ保存制度における検索要件の全てを不要とすることとされました。


      (4) 電磁的記録の適正な保存を担保するための措置
        
    スキャナ保存が行われた国税関係書類の保存義務者又は申告所得税、法人税および消費税における
          電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務者のその記録された事項に関し、隠蔽または仮装
          があった場合には、通常課される重加算税の額に10%に相当する額を加算した金額を課すること
          とされました。

        ② スキャナ保存が行われた国税関係書類の電磁的記録並びに申告所得税および法人税における電子取
         引の取引情報に係る電磁的記録について、次の措置を講じることとされました。
         ・スキャナ保存が行われた国税関係書類の保存義務者は、上記(2)②~⑥までの保存要件を満たさ
          ない電磁的記録についても保存しなければならないこととされました。 

         ・申告所得税および法人税における電子取引の取引情報に係る電磁的記録保存義務者は、電磁的
          の出力書面等の保存をもって当該電磁的記録に代えることができる措置は廃止されることとされ
          ました(紙での保存は無効)。
        ③ 国税関係書類に係るスキャナ保存制度または電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存の改正後
         の要件を満たさない電磁的記録について、国税関係書類等等とは扱わないこととされ、災害その他
         やむを得ない事情により電磁的記録の保存ができなかったことにつきその証明をした場合には、その

         事情が生じた日以後については当該保存要件は不要とされることとされました。
         ( 電子帳簿等保存制度の見直しは令和4年1月1日から施行されます。なお、上記の保存制度につ

         き、承認を受けている国税関係帳簿書類等については従前通りとされます。

    9. 納税管理人制度の拡充
      (1)
    納税管理人の届出をすべきことの求め
         納税者が納税管理人の届出をしなかったときは、所轄税務署長等はその納税者に対し、納税管理人の
        届出を指定日*までにすべきことを求めることができることとされました。
         *当該納税者に特定事項を明示した後60日を超えない範囲で勘案して定める日をいいます。

      (2) 国内便宜者に対する納税者の納税管理人となることの求め
         所轄税務署長等は,納税者が納税管理人の届出をしなかったときは、特定事項の処理につき便宜を有す
         る者(国内に住所または居所を有する者に限られます。)に対し、当該納税者の納税管理人となること
         を求めることができることとされました。

      (3) 税務当局による特定納税管理人の指定
        所轄税務署長等は、上記(1)の求めに応じなかった場合には、同(2)の国内便宜者のうち一定の国内関
        連者を特定事項を処理させる納税管理人(特定納税管理人といいます。)を指定することができることと
        されました(この指定に対する不服がある場合には、不服申立て又は訴訟を可能とする措置を講じること
        とされました。)。
       (納税管理人に関する改正は、令和4年1月1日以後に行う求めについて適用されます。)

    10. 滞納処分関係の整備
      (1) 無償譲渡等の譲受人等の第二次納税義務の整備
        徴収共助の要請においてもなお徴収不足が認められる場合において、その徴収不足が国税の法定納期
        限の1年前の日以後に滞納者が行った国外財産の無償譲渡等に基因するときは、その無償譲渡等の譲受
        人等は、第二次納税義務を負うこととされました。

      (2) 滞納処分免脱罪の適用対象の整備
         滞納処分免脱罪の適用対象に、納税者が 徴収共助の要請による徴収を逃れる目的で国外財産の隠蔽等
        の行為をした場合が加えられました。
        (滞納処分関係の整備については、令和4年1月1日以後に滞納となった国税について及びなされた違
        反行為について適用されます。
    )

    11. e-taxの整備
     
    (1
    ) 申請等に係る書面に記載すべき事項を入力して送信できない場合において、書面での提出に代えて、ス
       キャナによる送信(イメージデータの送信)をすることができることとされました(令和3年4月1日以後
       に行う申請等について適用されます。
    )。

      (2) 処分通知等の電子交付の拡充
        イ.加算税の賦課決定通知書の送付(令和4年1月1日以後に行う送付より適用)
        ロ.所得税の予定納税額等の通知(令和5年1月1日以後に行う通知より適用)
        ハ.国税還付金振込通知書の送付(令和6年1月1日以後に行う送付より適用)

    12. その他の国税に関する整備事項
      
    ・納税地の異動があった場合における質問検査権の管轄の整備
        法人税・地方法人税又は消費税に関する調査について、調査通知後に納税地の異動があった場合にお
        いて異動前の所轄税務署長等が必要と認めるときは、その異動前の所轄税務署長等の当該職員が質問検
        査権を行使することができることとされました(従前は異動後の所轄税務署等の当該職員の権限に移行す
        ることとされていました。)。
        (令和3年7月1日以後に新たに納税者に開始する調査および当該と遊佐に係る反面調査について適用
        されます。)
  • 節税型保険の見直し
     低解約返戻金型保険契約等の名儀変更(法人から役員への変更)による評価方法(金額)が令和3年7月1日よ
    り変更されました。
     令和元年7月8日以後に契約した一定の低解約返戻金型保険契約等について、令和3年7月1日以後に名義変
    更した場合の保険契約の評価につき、解約返戻金額ではなく資産計上額(帳簿金額)とされました。この結果、解約返戻金相当額と帳簿金額との差額相当額の損金計上が認められないこととされましたので注意が必要です。
    (注)  低解約返戻金型保険契約等とは、
       名義変更時の解約返戻金の額<名義変更時の資産計上額(帳簿金額)×70%
       のものとされています。
  • 新型コロナウィルス感染症等の影響に対応するための臨時特例法の概要
     1.納税猶予の特例
       ・・・ 令和2年2月1日以後に納税者の事業に相当な収入の減少があったこと等の事実がある場合には、国
         税通則法に規定する震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害により相当な損失を受けた
         場合に該当するものとみなして納税猶予の規定を適用することができることとされました。
         国税庁㏋納税猶予
     2.給付金の非課税
       ・・・ 市町村または特別区から給付される給付金(事業に対する給付金は除かれます。)は非課税かつ、
         国税徴収法に規定する滞納処分の差し押さえ対象外とされます。
     3.イベントの中止による入場・参加等の権利の放棄をした場合の所得税法上の寄付金控除または税額控除
       の適用
        ・・・ 令和2年2月1日から同3年12月31日までの期間内に当該放棄をした場合には確定申告等にお
         いて所得税法上の寄付金控除または税額控除の適用を受けることができることとされました。
     4.住宅借入金(いわゆるローン)控除適用要件の、取得等の後6か月以内の居住要件の緩和
       ・・・ 令和3年12月31日までの居住の用に供した場合と、緩和されました。
     5.資本金1億円超10億円以下の法人(大規模法人との間に完全支配関係がある場合等は除外)の欠損金の
       繰戻還付による還付の適用
       ・・・ 中小企業者に限定されていた繰戻還付による還付制度について企業規模が拡大され、令和2年2月
         1日から同4年1月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金についてその適用が
         あることとされました(連結欠損金および法人課税信託の受託者についても同様)。
     6.消費税の納税義務の免除の適用を受けない旨の届出等に関する特例の創設
       ・・・① 令和3年1月31日までの期間において一定の期間に著しい収入の減少があった場合、当該著しい
          収入の減少があった期間を含む課税期間(特定課税期間)以後の課税期間について課税事業者選択の
          適用を受ける必要が生じた事業者(特例対象事業者)について、所轄税務署長の承認を前提として、
          特定課税期期間開始の日の前日に課税事業者選択の届出書の提出があったものとみなされることとさ
          れました(この場合においては2年間の納税義務者の継続義務は適用されないこととされました。)。
         ② 特定課税期期間以後の課税期間について課税事業者選択の適用をやめる必要が生じた特例対象事業
          者については、轄税務署長の承認を前提として、課税事業者の選択をやめようとする課税期期間開
          始の日の前日に課税事業者選択とりやめの届出書の提出があったものとみなされることとされまし
          た(この場合においては2年間の納税義務者の継続義務は適用されないこととされました。)。
         ③ 新設法人または特定新規設立法人(他の者により50%超の出資比率を持たれ且つ当該者の想定基
         準期間の課税売上高が5億円超である場合の当該被支配法人)に該当する特例対象事業者について、特
         定課税期間以後の課税期間につき、調製対象固定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適
         用を受けないことが必要となった場合には、所轄税務署長の承認を前提として、特定課税期間以後
         の課税期間については、調製対象固定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用はされな
         いこととされました。
        ④ 特定課税期間の初日以後2年を経過する日の属する課税期間までの課税期間において高額特定資産
         (税抜価額が1000万円以上の棚卸資産または固定資産(自己建設資産を除く))を取得した場合
         に該当する特例対象事業者について、高額特定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用
         を受けないことが必要となった場合において、所轄税務署長の承認を受けた場合には、特定課税期
         間以後の課税期間については、高額特定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用はされ
         ないこととされました。
        ⑤ 上記①により納税義務者となった場合の特例対象事業者については、(免税事業者であった)特定課
         税期間の初日以後2年を経過する日の属する課税期間までの課税期間において取得した高額特定資
         産である棚卸資産等につき調整を受けることとなった場合に該当するときは、課税事業者となった
         課税期間の初日において課税仕入れがあったものとみなす規定の適用を受けた場合におけるいわゆ
         る3年縛りの規定の適用を受けないことが必要となった場合には、所轄税務署長の承認を前提とし
         て、当該特定課税期間以後の課税期間(納税義務が免除されない期間に限られます。)については適
         用はされないこととされました。
     7・特別貸付に係る消費貸借契約書の印紙税の非課税
       ・・・ 公的貸付機関(地方公共団体または株式会社日本政策金融公庫等)若しくは金融機関による、新型
         コロナウィルス感染症およびそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者に対
         して行う融資の際に作成される金銭消費貸借契約書(令和3年1月31日までに作成されるものに限
         られます。)に貼付するべき印紙税は非課税とされました。
  • 令和2年度税制改正

    1.法人税
     (1)グループ通算制度への移行(連結納税制度の見直し)
       (基本的仕組み) 
       ① 完全支配関係を有する法人間の親法人の決算期に基づいた申告をしなければならないこと
       ② グループ通算制度適用法人は各法人が法人税等の確定申告をしなければならないこと
       ③ グループ通算制度適用法人は各法人がe-taxによる申告をしなければならないこと
       (損益通算)
        ① 欠損法人の欠損金額の合計金額を所得法人の所得に配分し、所得法人の所得金額を欠損法人に配分
          する計算方式をとること(グループ通算制度適用法人の全ての法人が欠損となる場合は適用除外)
        ② 欠損金額及び所得金額は期限内申告に記載された金額を基礎として計算されること
       (欠損金の通算)
        ① 欠損金の繰越控除の計算は連結納税制度と同様とすること
        ② 当期所得金額及び繰越欠損金額は期限内申告に記載された金額を基礎として計算されること
       (租税回避防止策) 
        ① 欠損金の繰越期間制限の潜脱および離脱法人に欠損金を帰属させる防止策として、誤った当初申告
          をしたと認められるときは税務署長権限により適用除外とされること
        ② 通算グループ内の子法人の株式評価損およびグループ内株式の譲渡損益は計上できないこと
        ③ 通算グループからの離脱法人の離脱直前の帳簿価額は簿価純資産価額とすること(寄付修正後の価額
          ではないことに注意)
        ④ 親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれない子法人の株式について、株主において時価評価
          損益を計上すること
        ⑤ 包括的な租税回避行為防止規定の創設
       (適用税率)
         原則として通算グループ内の各法人の適用税率とされるが、中小法人の軽減税率の適用対象所得金
         額は、年800万円をグループ法人の所得金額の比で配分するため、上限はグループ法人全体で800
         万円とされること
       (グループ通算制度適用前欠損金および資産の含み損の制限)
         支配関係発生5年経過日と グループ通算制度適用開始または加入から3年を経過する日の何れか早
         い日までその制限を行うこと
         ① 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合
         ② 原価及び費用の合計額に占める損金算入される減価償却費の割合が30%を超える場合、通算グル
          ープ内で生じた欠損金を損益通算の対象外とし、特定欠損金(その法人の所得の金額を限度として
          控除可能とされる欠損金)とすること 
         ③ ①および②に該当しない欠損金のうち、支配関係発生前から有する資産の実現損からなる欠損金に
          ついては、損益通算の対象外としてうえで、特定欠損金とすること
       (グループ通算制度適用前欠損金および資産の含み損の制限の適用対象外)
         ① 親法人との間に支配関係が5年超ある法人
         ② 一定の共同事業要件を満たす法人
       (通算グループからの離脱規定の創設)
         ① 通算グループから離脱した法人は5年間再加入が認められないこと 
         ② 通算グループから離脱した法人が主要な事業を継続しないことが見込まれる場合、その有する資産
          について直前の事業年度において時価評価により評価損益の計上を行う必要があること
       (グループ通算制度への移行に合わせた単体納税制度の見直し)
         ① 受取配当金の益金不算入制度の見直し
         ② 寄附金の不損金入制度について、資本金の額及び資本準備金の額の合計額を基準とすること(改正前
          は資本金等の額)
         ③ 貸倒引当金の設定について、100%グループ内の法人間の金銭債権を引当金の対象から除外する
           こと
         ④ 資産の譲渡に係る特別控除の特例について、グループ内の特別控除の合計金額を年5000万円以下
          とすること(超える部分の金額は損金不算入となる)
         ⑤ 中小判定
           各中小法人判定について、通算グループ内のいずれかの法人が中小法人に該当しない場合は通算
          グループ内の全ての法人が中小法人に該当しないこととされること
        (適用関係;令和4年4月1日以後開始事業年度より適用)
       (子会社配当金の制限)
          他の会社の議決権の50%超を有する(特定支配関係)法人がその被支配会社から配当金を受け取
         る場合の益金不算入の制限措置の創設
         ・・・株式の帳簿価額の10%を超える配当金を受け取る場合、その超過部分の金額は当該株式の
            帳簿価額から控除することとするもの
            (除外規定は以下の通り)
             イ.被支配会社の設立の日から90%以上を保有している場合
             ロ.2000万円を超えない配当金
             ハ.特定支配関係発生日から10年経過後に受取る配当金等
         (適用関係;令和2年4月1日以後開始事業年度分の法人税より適用)
     (2)中小企業等の支援
        (オープンイノベーションに係る措置の創設)
         特定事業活動を行う青色申告法人(注1)が、令和2年4月1日から同4年3月31日までの間に
         一定の株式(特定株式(注2))を取得しかつ、取得事業年度末まで有している場合、その取得価額の
        25%相当金額以下の金額を当該取得事業年度の損金(特別勘定による)に計上することが認められ
        るという制度です(地方税においても所要の措置)。
         (注1) 自らの経営資源以外の経営資源を活用し、高い生産性が見込まれる事業を行うこと又は新た
            な事業の開拓を行うことを目指す株式会社等をいいます(対象法人という)。
         (注2) 産業競争力強化法の新規事業開拓事業者の内、同法に規定する特定事業活動に資する事業を
            行う内国法人(設立10年未満のものに限定)又はこれに類する外国法人の株式で、次の要件
            を満たすことにつき経済産業省の証明があるもの(特定新規開拓事業者という)
            ① 対象法人が取得するもの又はその対象法人が出資する投資事業有限責任組合への出資比率
             が50%超である場合の当該組合財産の全てが特定株式であること
            ② 増資に伴う払込による取得であること
            ③ ②の払込金額が1000万円以上であること(中小企業者以外にあっては1億円以上とし、
             外国法人への払込の場合は5億円以上であること)
            ④対象会社にとってその特定株式の取得が、その事業活動事態の高い生産性 が見込まれるも
             のであること又はあらたん事業の開拓に資することとなること(単なる投資行為ではない
             こと)
     (3)措置法上の改正(主要なもの)
        ・長期及び短期土地譲渡益の追加課税の適用停止措置の期限の3年の延長
        ・中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻し還付制度の不適用措置の2年の延長
        ・設備廃棄等欠損金額の繰戻還付の特例の廃止
        ・少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限の2年の延長
        ・同特例対象法人から連結法人および常時使用する従業員数要件について500人超(改正前100
         0人超)の法人を除外
        ・交際費の損金不算入制度の適用期限の2年の延長
     (4)その他
        (国税) 
         ・樹木採取権(国有林野に係わるもの)を減価償却資産として創設(無形固定資産)
         ・過大役員給与の形式基準についてその法人の株式又は新株予約権の上限数を定款において定めた
          場合の限度額の計算を、その支給時の価額を基準とすること
         ・売買目的有価証券の時価評価金額の見直し(事業年度終了日の公表最終価格がない場合)
          (市場有価証券;取引所・店頭・取扱・その他公表各有価証券)
           直近公表価格に基づく合理的価格(改正前;直近公表最終価格)とすること
          (市場有価証券以外の有価証券(株式又は出資を除く))
           類似銘柄の有価証券について公表された事業年度終了日の最終の売買価格又は利率その他指標
           に基づく合理的な方法により算出した価格とすること
           上記につき、合理的方法として採用した理由の開示保存義務の創設
         ・有価証券に係る価額の著しい低下に基づく評価損の計上対象となる有価証券の範囲についての見
          直し
         ・貸倒引当金の対象となる金銭債権から債券を除外すること
         ・デリバティブ取引に係る未決済取引のみなし決済損益額(市場デリバティブ取引等の最終市場価格
          による授受額を除く)の算定方法に用いた合理的方法の採用理由および算定の基礎事項の開示保存
          義務の創設
          (上記有価証券にかかる適用関係)
           令和2年4月1日以後終了事業年度より適用(令和3年3月31日までの各終了事業年度につ
           いては経過措置として改正前の規定を適用することができることとされています。)
         ・マンション建替え等の円滑化法改正を基にした改正
           イ.敷地分割組合を公益法人等とみなして収益事業以外の所得を非課税とすること
           ロ.マンション敷地売却組合の業務範囲の見直し後も公益法人等とみなすこと

     2.所得税
        (1)NISAの改正
          ① つみたてNISA(非課税累積投資契約;上場投資信託等で年間投資上限額40万円、20年
           間)の勘定設定期間の5年の延長(令和24年12月31日まで)
          ② ジュニアNISA(未成年者非課税口座;上場株式・投資信託で年間投資上限額80万円、5
           年間)が令和5年12月31日までの口座開設をもって終了とされたこと
          ③ 一般NISA(非課税上場株式等管理契約;上場株式・投資信託等で年間投資上限額120万円
           、5年間)が令和6年1月1日以降は、年度毎に最初の20万円は株式投資信託でかつ継続的
           買い付けを、次の102万円は上場株式・投資信託等に投資を可能とする2段階方式に移行す
           ること(令和6年1月1日以後)
        (2)エンジェル税制の改正
          ① 特定中小会社の株式取得に要した金額の控除およびその譲渡損失の繰越控除について所要の改
           正がされました。
           イ.適用対象会社の範囲に設立後10年未満の金商法に規定する第一種少額電子募集取扱い業務
            を行う一定の登録を受けた株式会社が追加されたこと
          ② 特定新規中小企業者(中小企業等経営強化法に規定する特定新規中小企業者)についての改正
           イ.特定新規中小会社の範囲に設立5年未満の一定の要件を満たす株式会社が追加されたこと
           ニ.特定新規中小企業者で設立後1年以上3年未満のものについての試験研究費等割合が5%超
            に引き上げられたこと(改正前は3%超)
           ホ.定款等一定の書類について都道府県知事他管轄官庁又は投資事業有限責任組合への提出が省
            略されたこと
           ヘ.寄附金控除の対象となる特定新規中小会社の払込による取得株式の控除割合の引下げ
             800万円を限度とすること(改正前は1000万円を限度)
        (3)土地・住宅税制の改正
          ① 低未利用地を譲渡した場合の長期譲渡所得(所有期間5年超)の特別控除の創設
           ・・・都市計画区域内にある市区町村長の確認がされた低未利用地の長期譲渡につき、譲渡所
              得の計算上、100 万円を限度として特別控除することができるという制度(土地基本法
              等の一部を改正する法律の施行の日又は令和2年7月1日のいずれか遅い日から令和4年
              12月31日までの間にした譲渡について適用され、譲渡年の前年又は前々年にこの特例
              の適用を受けている場合は適用除外)
          ② 配偶者居住権およびその敷地利用権の消滅の対価を受け取った場合の譲渡所得の計算方法につ
           いての規定がなされました。
         (4)その他
          ① 国外中古建物(注1)の不動産所得に係る損益通算等の特例(新設) 
           ・・・国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合、その年分の不動産所得の金額の計算上
              損失の金額が有るときは、その国外不動産所得の損失の金額(注2)の内、国外中古建物の
              償却費に相当する部分の金額は生じなかったものとされること(注3)
              (注1)
         
           中古建物の耐用年数の計算方法は次によること
               イ.内国法人税の法定耐用年数の全部を経過している場合
                法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数としていること
                ロ.同法定耐用年数の一部を経過している場合
                法定耐用年数×20%+未経過年数
               ハ.使用可能期間の年数を耐用年数としていること
                (ただし、国外建物の所在地国の法令における耐用年数を基礎としていること等使
                 用可能期間の年数につき適切であることを証する書類のある場合は除外)
              (注2)
           
         国外中古建物以外の国外にある不動産等から生ずる不動産所得金額が有る場合には、
               当該損失と他の国外不動産所得とを合算してもなお控除しきれない場合の金額をいう
               こと
              (注3)
                この適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合の取り扱い
                譲渡所得の金額の計算上その取得費から控除される償却費の累計額から、この規
                  定によりなかったものとみなされた償却費相当額を控除すること(取得費に加算
                  すること)
              (国外中古建物に係る規定は、令和3年以後の各年の所得税について適用)
          ②未婚のひとり親控除の創設
           ・・・控除額年35万円(寡婦または寡夫であるものを除く)
              (令和2年以後の各年の所得税について適用)
          ③ 寡婦または寡夫控除の見直し
            イ.全ての寡婦の所得要件に合計所得金額500万円以下であることを追加
            ロ.全ての寡婦および寡夫控除要件への追加要件
             ・・・ 生計を一にする子の所得要件を48万円以下とする
            ハ.寡婦または寡夫控除金額を一律35万円とすること
             (令和2年以後の各年の所得税について適用)
          ④ 国外居住親族に係る扶養控除要件の見直し
            イ.控除対象扶養者から年齢30歳以上70歳未満の者を原則として除外すること(次のいず
             れかに該当する者を除く)
             ・留学により非居住者となった者
             ・障害者
             ・その年に生活費又は教育費として38万円以上受けている者
              (令和5年以後の各年の所得税について適用)
          ⑤ 確定拠出年金制度及び農業者年金制度の加入可能要件の見直し
            イ.企業型確定拠出年金制度適用の厚生年金被保険者についておよび農業者の国民年金被保険
             者について、個人型確定拠出年金制度および農業者年金制度への加入をそれぞれ可能とす
             ること
            ロ.企業型確定拠出年金加入者について、企業型確定拠出年金の規約の定めなしに個人型確定
              拠出年金制度への加入を可能とすること
           (以上は確定拠出年金法の改正を前提とする)
          ⑥ 雑所得の金額の計算方法および確定申告の見直し
            イ.その年の前々年分の雑所得の収入金額が300万円以下である場合、「現金主義による所
              得計算の特例」の摘要ができることとされたこと 
            ロ.その年の前々年分の雑所得の収入金額が300万円を超える場合、現金預金取引等関係書類
              を起算日から5年間、保存しなければならないこと
            ハ.その年の前々年分の雑所得の収入金額が1000万円 を超える場合、その収入および必
              要経費の内容を記載した書類をその確定申告書に添付しなければならないこと
            (令和4年分以後の各年の所得税について適用)
          ⑦ 医療費控除の適用を受ける際の添付書類の不添付
            イ.医療保険者の医療費の額等を通知する書類
            ロ.審査支払機関の医療費の額等を通知する書類
            (令和3年分以後の各年の所得税について令和4年1月1日以降に提出する場合に適用)

          ⑧ 住宅ローン控除の適用除外(修正申告)対象となる居住用財産の譲渡に係る特例適用の改正
            ローン控除を受けた場合に、新規居住用家屋居住年の翌年以後3年以内の各年中に、旧居
            住用財産を譲渡し所得の特別控除(3000万円を限度)の摘要を受けた場合にはローン控除
            は適用されず、すでに控除を受けた場合には修正申告の義務が課されます(令和2年4月1日
            以後の譲渡より適用されます(旧規定では2年以内とされていました。)。)。

     3.資産税
        (1)相続税・贈与税の納税猶予制度
          ① 特例農地等の範囲に地区計画農地保全条例のより制限を受ける一定の地区計画の区域内の所在
           する農地等が加えられたこと
          ② 認定医療法人への移行に伴う納税猶予の適用期限が3年間延長されたこと(令和5年9月30
           日まで)
        (2)相続税の物納特例の対象財産の追加
            制作者が生存中である登録美術品で一定のもの
        (3)登録免許税の軽減制度の延長
          ① 住宅用家屋の所有権移転・保存・抵当権の設定の各登記について適用期限を2年延長
          ② その他各種軽減措置の適用期限の2年間の延長
        (4)印紙税の軽減制度の延長
            不動産の譲渡に関する契約書に係る特例措置の適用期限の2年間の延長
          
     4.消費税
        (1)法人に係る消費税の申告期限の特例(延長)制度の創設
           法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用法人について、消費税および地方消費税の確
           定申告書期限の1か月の延長を認める制度の創設
          (令和3年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間より適用)
        (2)居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除の適用除外
          ① 居住用賃貸建物の取得
           (対象建物)・・・ 住宅の貸付の用に供しないことが明らかな建物以外の建物で高額特定資産(一の取
                 引単位の金額(税抜金額)が1000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)
                 に該当するものの課税仕入れについて適用
           (例  外)・・・ その仕入れの日から3年を経過する日の属する課税期間の末までに住宅の貸付以
                 外の貸付の用に供した場合又は譲渡した場合には当該課税期間において仕入税額
                 控除に加算して調整する。
           (令和2年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合について適用)
          ② 居住用賃貸建物と推定される場合
           (対象建物)・・・住宅の貸付に係る契約においてその用途が明らかにされていない場合で、当該貸
                 付の用に供する建物の状況等から居住の用に供する事が明らかな貸付について、当
                 該貸付に係る消費税を非課税とする。
           (令和2年4月1日以後に行われる貸付について適用)
          ③ 高額特定資産を取得した場合の免税点制度および簡易課税制度の適用制限の対象に、高額特定
           資産である棚卸資産が納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税
           額の調整措置の適用を受けた場合、に加えられたこと
           (令和2年4月1日以後に棚卸資産の調整措置を受けた場合について適用)
        (3)樹木採取権(新設)を消費税法上の調整対象固定資産とする。

     5.納税環境の整備
        (1)振替納税の通知依頼およびダイレクト納付の利用届の電子化
           ・・・ e-taxによる送信申請を可能とする(電子署名及び電子証明書の署名を不要とする)
           (令和3年1月1日以後に行う申請等について適用)
        (2)準確定申告の電子手続きの簡素化
           ・・・ 申告書確認情報の送信手続きについて申請相続人以外の相続人の電子署名及び電子証明書
             の送信の省略が可能とされたこと(還付の際の委任状の添付は従来通り)
           (令和2年1月1日以後に提出する令和2年分以後の所得税の準確定申告について適用)
        (3)電子帳簿等保存制度の見直し
           ・・・ 国税関係帳簿書類の保存義務者について、電子取引を行った場合の電磁的記録の保存方法
             の範囲に次の方法を加えることとされたこと
           イ.発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合の電磁的記録を保存する方法
           ロ.電磁的記録について訂正又は削除を行った場合にその事実及び内容を確認することができる
            システムにおいてその電磁的記録の授受及び保存を行う方法
           (令和2年10月1日から施行)
        (4)国外財産調書制度の見直し
           ① 相続開始の日の属する年の12月31日における国外財産調書への記載すべき国外財産か
            ら、その相続又は遺贈により取得した国外財産の価額の合計額を除外することができること
           (令和2年分以後の国外財産調書又は財産債務調書について適用)
           ② 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の見直し
             イ.相続国外財産に対する相続税に関する修正申告等があった場合の追加
             ロ.加重措置からの適用除外
            ・相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がなく提出期限内に国外財産調書の提出が
             なされなかった場合
            ・相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がなく国外財産調書に記載がなされなかっ
             た場合
            ③ 国外財産調書の提出がされた場合の加算税の軽減措置(次のいずれかに該当する場合)
            イ.被相続人の相続開始年の前年分の国外財産調書
            ロ.相続人の相続開始年の年分の国外財産調書
            ハ.相続人の相続開始年の翌年分の国外財産調書
            ④ 加算税の軽減措置および加重措置の特例の創設
             ・・・国税庁等の職員から国外財産調書に記載すべき国外財産についての資料の提示または提
               出を求められた日から60日を超えない範囲内においてその提示または提出をしなかた
               っ場合における加算税の軽減措置および加重措置 
               イ.軽減措置の適用はしないこと
               ロ.加重措置についてはその割合を10%とすること(適用前5%)
            (②~④;令和2年分以後の所得税又は令和2年4月1日以後に相続又は遺贈により取得す
             る財産に係る相続税について適用)
         (5)利子税・還付加算金等の割合の引下げ 
            ・・・ 利子税(還付加算金、納税猶予)特例基準割合(銀行の短期貸出約定平均金利(平均貸
              付割合)に0.5%(現行1%)を加算した 割合)の変更
            (令和3年1月1日以後の期間に対応する利子税・還付加算金等について適用)
  • 消費税率引き上げに伴う住宅取得等資金贈与の非課税限度額の変更(贈与税
     
    住宅用家屋新築等に係わる契約締結日(平成31年4月1日以降締結のものに限る)  住宅用家屋新築等に係わる対価の額に含まれる消費税等の税率が10%となる場合
     省エネ等住宅  左記以外の住宅
     令和2年3月31日まで  3000万円  2500万円
    同年4月1日から
    同3年3月31日まで 
     1500万円
     1000万円
    同3年4月1日から
    同3年12月31日まで
     1200万円  700万円
     なお、住宅ローン控除との併用も可能とされていますが、計算の基礎となる住宅取得借入金額の計算に当た
    っては、住宅の取得価額等から住宅取得資金贈与金額を差し引くこととされていますので、注意が必要です
    (国税庁から注意喚起の指摘がされています。)。
  • 消費税率引き上げに伴うキャッシュレス決済のポイント還元政策(消費税
     一定規模の中小事業者(注)のうち、2019年(令和元年)10月1日以後9か月間、加盟店として登録された事業者
    より商品・サービスを購入しキャッシュレス決済手段により支払いをした場合に、5%(大手コンビニ店加盟店やガソリンスタンド店は2%)のポイント還元が受けられるというものです。
    この政策は、中小事業者向けの消費税率引き上げによる需要変動の平準化と将来のキャッシュレス社会に向けた端緒となるべく中小企業者の後押しを国家的に行おうとするものです。
    (事業者側のメリット)
     ・決済導入機器等の資金負担が無いこと
     ・2019年10月1日から2020年6月30日までの販売決済に係る決済手数料は3.25%以下とされ、その3分の1を
      国が補助すること
    (対象キャッシュレス決済手段)
     ・クレジットカード、デビットカード
     ・電子マネー(スイカ、パスモなど)
     ・QRコード
     ・モバイル決済
     (注)
      
    中小事業者の定義は以下の通りです。
      
     業種分類  定  義
     製造業その他 資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社 又は常時使用する従業員数が300人以 下の会社および個人事業主
     卸売業 資本金の額または出資の総額が1億円以下の会社 又は常時使用する従業員数が100人以 下の会社および個人事業主
     小売業 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社 又は常時使用する従業員数が50人以下の会社および個人事業主
     サービス業(注) 資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社 又は常時使用する従業員数が100人以下の会社および個人事業主 
     (注)
      ① 旅館業は資本金等が5千万円以下または従業員数200人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業
       は資本金等が3億円以下または従業員数300人以下がそれぞれ対象事業者に該当
      ② 資本金等が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式等を保有される事業者は対象除外
  • 平成31年度税制改正

    1.資産税

     ① 教育資金の一括贈与制度の見直し(贈与税)総務省教育資金贈与
      ・・・原則として教育資金管理契約に基づく教育資金信託受益権等について、当該管理契約終了前に贈与
         者が死亡した場合その死亡前3年以内に取得した信託受益権等の残高について、相続又は遺贈により
         取得したものとみなすこととされました(平成31年4月1日以降に贈与者が死亡した場合につい
         て適用され、同日前に取得した信託受益権等については従前の通りとされています。)。
         ただし例外として、
          ⅰ受贈者が23歳未満である場合
          ⅱ受贈者が学校等に在学している場合
          ⅲ受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
         にはその適用は無いものとされています。
     ② 結婚・子育て資金の一括贈与制度の見直し(贈与税)
      ・・・受贈者の所得要件を新たに課しました(贈与年の前年の合計所得金額が1000万円を超える場合に
         は適用がないこととされました(上記①の教育資金贈与の場合にも適用されます(平成31年4月1
         日以降に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用され、同日前に取得した信託
         受益権等については従前の通りとされています。)。  
     ③ 空き家に係る譲渡所得の3000万円特別
        控除の特例制度の一部手直しと制度の延長(所得税)
      ・・・被相続人の居住要件が緩和され、老人ホーム等に入所していた場合でも適用があることとされました
        (被相続人が介護保険法に規定する要介護認定を受け、かつ、相続開始直前まで老人ホーム等に入所し
        ていたことが要件とされました。)。また、この制度は4年間延長されることとされています。
     ④ 特定事業用宅地等の小規模宅地等の評価の特例の適用制限(相続税)
      ・・・相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等が、原則として小規模宅地等の評価減の特例の適用対
         象から除外されることとなりました(平成31年4月1日以後の相続等により取得する土地等について適用
         され、同日前に事業の用に供されている土地等については従前の通りとされます。なお、この例外とし
         て事業の用に供されている減価償却資産(建物、設備類、機械等など対象土地等において事業の用に供
         されている減価償却資産をいいます。)の価額が当該事業用土地等の価額の15%以上である場合には
         この制度の適用が受けられることとされています。
     ⑤ 特別寄与料に係る相続税課税制度の創設(相続税)
      ・・・特別寄与者(相続人を除きます。)が支払いを受けるべき特別寄与料が確定した場合には、当該特別
         寄与者が被相続人から遺贈により財産を取得したものとみなして、相続税が課されることとされまし
         た(令和元年7月1日以後の相続より適用されます。なお、当該特別寄与者は相続税の2割加算の規定
         が適用され、その申告期限はその支払額が確定したことを知った日の翌日から10か月以内とされま
         す。 また、特別寄与料を支払うこととなった相続人は当該支払額が確定したことを知った日の翌日か
         ら4か月以内に更正の請求ができることとされました。)。
     ⑥ 配偶者居住権の創設に伴う相続財産としての評価制度の創設(相続税)
      ・・・建物の権利+敷地の権利(一定の計算方法により算出します。)=配偶者居住権の価額
         なお、配偶者居住権は第三者への譲渡が禁止されているため、相続税の物納財産としては劣後財産と
         されました(令和2年4月1日以後に開始する相続に係る相続税について適用されます。)。
         また、敷地の権利については、小規模宅地の評価の特例(特定居住用宅地の評価減)の適用が可能と
         されています。
     ⑦ 個人の事業用資産についての贈与税及び相続税の納税猶予制度の創設(個人版事業承継税制)(相続税・
      贈与税)
      ・・・特定事業用資産を有していた者が特例事業受贈者または特例事業相続人等(特例事業受贈者等とい
         います。)にすべての特定事業用資産を贈与または相続若しくは遺贈(贈与等といいます。)をした
         場合は、当該贈与等に係る贈与税又は相続税の納税を猶予することとされました(平成31年1月1日か
         ら令和10年12月31日までの贈与等に限定。)。これは個人版事業承継税制で、特例非上場株式等に
         係る納税猶予と同様な手続き(「円滑化法認定申請」(贈与)または「個人事業承継計画の確認」(相
         続等))をとることを前提とした事業承継税制です。
     ⑧ 成年年齢の引き下げに伴う未成年者控除額の計算の改正および相続時精算課税適用者の年齢引き下げ
      (相続税・贈与税)
      ・・・18歳に成年年齢が引き下げられたことに伴い相続税の未成年者控除額の計算上上限が引き下げられ
         、また相続時精算課税の受贈者年齢が18歳に引き下げられました(令和4年4月1日以後の相続または
         贈与について適用されます。)。 

    2.所得税
     ① 仮想通貨の譲渡原価の計算および評価方法
      ・・・その年の12月31日現在において有する仮想通貨の価額はその者が選択した評価方法により評価した
         価額とすることとされました(法定評価方法は総平均法とされます。)。
         また、その贈与、譲渡(譲渡等)があった場合には棚卸資産に準ずる資産の譲渡等があったものとして
         譲渡時の時価をもって収入があったものとして事業所得または雑所得の計算をすることとされました。
         なお、贈与により取得した仮想通貨資産の譲渡原価の計算は、受贈した時の時価をもって取得したも
         のとされます。(適用関係;令和元年以後の所得税について適用されます。)
     ② 住宅ローン税額控除の割増控除制度の導入
      ・・・令和元年10月1日から同2年12月31日までの間に自己の居住に用した家屋を一定の借入金により取得
         した場合に、当該借入金についての税額控除につき、3年間の延長措置を導入しました。具体的には
         取得11年目から13年目までの各年の12月31日現在において借入金残高がある場合に当該残高の1%
         相当額(借入金残高の上限は4000万円とされます。)を追加して税額控除を認める、というものです。
         その他、ローン控除を受ける場合の申告書の記載事項の簡素化が図られました。

    2.法人税
     (1) 損金算入の対象となる業績連動給与(役員給与に関するもの)の損金算入要件の見直し
      ① 報酬委員会または報酬諮問委員会設置会社における決定手続きの見直し
       a.業務執行役員が各委員会のメンバーであることの容認(ただし、当該業務執行役員の特殊関係者が各委
         員会のメンバーになっていないこと(=お手盛り防止))
       b.各委員会の過半数が独立社外役員であること
      ② 監査役会設置会社および監査等委員会設置会社における決定手続きの見直し
       ・・・監査役または監査等委員の過半数が書面(算定方法が適正である旨の監査役会の決議書面)によ
          り提出または取締役会の決議に参加して決議を経ていること 
       (適用関係;平成31年4月1日以後に終了する手続きに係わる給与について適用されますが、令和2
        年3月31日以前に終了する手続きに係わる給与については、改正前の規定を適用できることとされ
        ています。)
    (2)中小企業者から除外されるみなし大企業の範囲の見直し
      ① みなし大企業判定における大規模法人に以下の法人が追加されました。
       a.大法人(資本金等の金額が5億円以上の法人、相互会社および外国相互会社で常時使用人数が1000
         人超の法人並びに受託法人)との間に完全支配関係のある被支配普通法人
       b.大法人による完全支配関係があることとなる被支配普通法人
      ② みなし大企業判定における対象法人の自己株式等を除外して判定することとされたこと
      (適用関係;平成31年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。)
  • 住宅ローン控除の適用誤り(国税庁公表事例)にご注意ください。(所得税)
    ① 住宅取得資金贈与制度(贈与税)と住宅ローン控除制度(所得税)を併用した際の、ローン控除の対象とな
     る借入金額につき住宅取得価額から贈与を受けた金額を控除して税額控除計算の対象としなければなければ
     ならないことの失念。これにより税額控除過大となる可能性が生じることへの注意喚起です。
    ② 居住用財産譲渡に係る3000万円の特別控除特例の適用と住宅ローン控除制度(所得税)の併用不可(譲
     渡損の場合は適用可)。上記①に比べると誤りは少ないようですが、申告に際しては特別控除による節税額
     とローン控除による総税額控除金額とを比較して決定することが重要です。
    ③ ローン控除制度ではありませんが、住宅取得資金贈与制度(贈与税)の適用要件に所得金額制限(2000
     万円以下であること)がありますが、この失念による贈与税の申告が散見されるとのことですので注意が必
     要です。
      なお、上記に伴う過少納付があったことに気づいた場合、自主的に修正申告することで、過少申告加算税
     (原則5%)は免除されます(延滞税は課税。)ので早めに該当する場合は、修正申告に臨むことです。 
  • 改正民法(相続編)の施行日
    ① 療養看護者の特別の寄与制度の創設(改正民法1050条)・・・平成31年7月1日
    ② 遺留分侵害の請求(改正民法1046条)・・・同上
    ③ 遺産分割前における預貯金債権の行使(法定相続分について一金融機関当り150万円が限度とされます。
     改正民法909条の2)・・・同上
    ④ 特別受益者の相続分(改正民法903条)・・・同上
    ⑤ 自筆証書遺言の作成要件の緩和(財産目録部分)(改正民法968条)・・・平成31年1月13日
    ⑥ 法務局における自筆証書遺言の保管制度(遺言保管法(新設))・・・平成32年7月10日
    ⑦ 遺言執行人(改正民法1007条)・・・平成31年7月1日
    ⑧ 配偶者居住権の創設(改正民法1028条)・・・平成32年4月1日
  • 相続等による被相続人居住用不動産(空き家)譲渡に伴う譲渡所得の特別控除(最大3千万円)
    (所得税)
     
    相続人が相続等により取得した次の要件を満たす空き家を譲渡した場合、譲渡所得金額から最大3000万円の特別控除をすることができる制度です。
    ①被相続人の居住の用に供されていていた家屋又は敷地の譲渡であること。(注1)
    ②昭和56年5月31日以前に建築された家屋(またはその敷地)であること(区分所有建物を除きます。)。
     (注2)
    ③相続開始直前に被相続人以外の者が居住していなかったこと。(注3)
    ④平成31年12月31日までの間に行われる譲渡であること。
    ⑤相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にした譲渡で
     あること。
    ⑥譲渡対価の額が1億円以下であること(1億円を超える場合には適用できません
     (譲渡対価の金額には固定資産税未経過分相当金額が含まれますので注意が必要
     です。)。)。なお、この特例の適用を受ける場合には、相続税額の取得費加算
     の特例は適用できませんのでこの点も注意が必要です。

    (注1) 
    家屋の譲渡がある場合は当該家屋の耐震基準適合証明書または住宅性能評価証明書の写しが
        必要となります(家屋取壊し後の譲渡の場合は不要)。また、居住の用に供していたかどう
        かの判定は現況によることとされていますので、老人ホーム等に入居していた場合であって
        も適用がある場合があります。

    (注2)
     家屋の登記の有無は問いませんが、無い場合には完成当時の検査済証や建築請負契約書等、
        固定資産税課税台帳の写しにより要件を満たす裏付けが必要となります。

    (注3) 居住用部分と貸室とが一体となった建物の場合には適用がありませんので要注意です。
  •  平成30年度税制改正の概要
     主な税目と改正点は次の通りです。
    1.所得税
    (1)給与所得控除の縮減               
    給与等収入金額   給与所得控除額
    162.5万円以下 55万円
     162.5万円超180万円以下 給与等収入金額×40%ー10万円
     180万円超360万円以下 給与等収入金額×30%+8万円 
     360万円超660万円以下 給与等収入金額×20%+44万円
     660万円超850万円以下 給与等収入金額×10%+110万円 
    850万円超  195万円
      *上記は平成32年分以後の所得税(住民税は平成33年度分以後)から適用されます。

    (2)公的年金等控除の見直し
        
       控除額(最低保障額)
     年金以外の所得   65歳以上  65歳未満
     1000万円以下   110万円  60万円
     1000万円超
    2000万円以下  
     100万円
     50万円
     2000万円超    90万円  40万円
       *公的年金等の収入額が1000万円以上の場合の年金控除額は195.5万円が上限
       *上記は平成32年分以後の所得税(住民税は平成33年度分以後)から適用されます。

    (3)基礎控除の見直し
       
    合計所得金額   基礎控除額(国)   同(地方)
     2400万円以下  48万円 43万円
     2400万円超
    2450万円以下
     32万円  29万円
      2400万円超
    2500万円以下
     16万円  15万円
      2500万円超  0  0
       *上記は平成32年分以後の所得税(住民税は平成33年度分以後)から適用されます。

    (4)人的控除の見直し
       ①配偶者及び扶養控除の合計所得金額⇒48万円以下
       ②配偶者特別控除の合計所得金額⇒95万円以下
       ③家内労働者等のみなし必要経費額⇒55万円(上限)
      *上記は平成32年分以後の所得税(住民税は平成33年度分以後)から適用されます。

    (5)青色申告特別控除の見直し
        原則として上限55万円に引下げられます。ただし、以下のいずれかの要件を満たす場合は従来通り
       の上限65万円とされます。
       イ. 仕訳帳および総勘定元帳を電子計算機を利用して作成し、かつ電子帳簿保存法の定めに従って記録
         の備付け及び保存を行っていること
       ロ. 確定申告書、青色決算書(貸借対照表を含みます。)を期限内に電子申告にて申告すること
       *上記は平成32年分以後の所得税(住民税は平成33年度分以後)から適用されます。

    (6)法定調書のe-tax提出義務基準の引き上げ
        法定調書のe-taxによる提出義務枚数基準を100枚以上とされました。
       *上記は平成33年1月1日以後に提出する法定調書から適用されます。

    (7)森林環境税の導入
        国内に住所を有する個人を対象に一人当たり年1000円が徴収されます。
       *上記は平成36年からの課税とされます。

    2.法人税
    (1)賃上げ・生産性向上ための所得拡大促進税制の見直し
       雇用者給与等支給額の増加要件の加重および教育訓練費増加要件の導入による税額控除額の拡大(大法
       人は15%、中小企業者等はさらに10%の上乗せ)がされました(地域雇用開発促進法に基づく雇用
       促進税制は平成30年3月31日の期限をもって廃止)。

    (2)革新的情報産業活用設備の特別償却または税額控除
       「生産性向上特別措置法」に基づいて、認定革新的データ産業活用事業者で同法の革新的データ産業活
       用計画の認定を受けた青色申告法人で、投資金額5000万円以上のもの(一定のソフトウェア・器具
       備品・機械装置)につき特別償却又は税額控除を認める制度が創設されました。

    (3)e-taxの義務化
       ・内国法人のうち事業年度開始時の資本金の額が1億円超の法人等は、法人税・地方法人税・消費税の
        確定申告・中間申告および修正申告をe-taxで行うことが義務付けられました。これにより、電
        気通信回線の故障、災害等やむを得ない理由による場合のほかは全てe-taxにて申告を行わなけ
        ればならず、これに違反した場合は無申告として取り扱われることとされました。なお、添付書類の
         提出についても同様とされます(ただし申告書ではないため無申告扱いはされません)。
         *上記は平成32年4月1日以後開始事業年度より適用されます。

    (4)収益認識準の改正
       ① 資産の販売等に係る収益認識につき原則として、目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年
        度の所得の金額の計算上益金の額に算入することとされました。
       ② 返品調整引当金制度は廃止とされました。これに伴い、対象事業者に対し暫定措置として平成33年
        3月31日までに開始する各事業年度については従来通りの引当経理が認められ、同年4月1日から
        平成42年3月31日までの間に開始する各事業年度については現行法による損金算入限度額を毎年
        10分の1ずつ減額した金額の引当経理を認める等の措置を講じることとされました。
       ③ 長期割賦販売等の延払基準による収益及び費用の認識の廃止
         ただし、平成35年3月31日までに開始する各事業年度については、平成30年4月1日前におい
         て現行通りの延払基準による経理を行った事業者についてその適用が認められ、平成30年4月1日
         以後に終了する事業年度において延払基準の適用を取りやめた場合の繰延割賦利益額について10年
         均等で収益計上する等の経過措置が講じられることとされました(消費税の取扱いと異なりますので注
         意が必要です。)。
        (ファイナンスリース及び関西国際空港および大阪国際空港に係る公共施設等運営権の設定対価につ
         いては現行通りとされています。)
         *上記は平成30年4月1日以後終了事業年度より適用されます。

    3.消費税
    (1)長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等ー延払基準の廃止に伴う暫定措置
        法人税法上の長期割賦販売等の延払基準の廃止に伴い、平成30年4月1日以後に終了する課税期間に
       おいて延払基準の適用を止めた場合の賦払金の残高を10年均等で資産の譲渡等の対価の額とする等の
       経過措置が講じられました。
        *上記は平成30年4月1日以後終了事業年度より適用されます。
    (2)軽減税率適用に伴う農林水産物の生産事業の簡易課税区分の見直し
       軽減税率が適用される食用の農林水産物を生産する事業を第2種事業としてそのみなし仕入れ率を80%
       とみなすこととされました。
        *上記は平成31年10月1日を含む課税期間より適用されます。

    4.相続・贈与税
    (1)相続税または贈与税の納税義務の見直し
       特定の一般社団法人等による租税回避行為規制の強化(相続税法65・66条関係)
         ①. 特定一般社団法人等の役員(理事に限られます。)であるものが死亡した場合のみなし相続税課
          税制度の導入
          相続開始前5年以内のいずれかの時において特定一般社団法人等の役員であったものを含めその
           相続発生時の当該特定一般社団法人等の純資産額を、その死亡時の同族役員(被相続人を含めま
           す。)の数で除した金額相当を当該被相続人から遺贈により取得したものとして、当該特定一般
           社団法人等に相続税を課税することとされました。
         ②. 一般社団法人等に対して贈与等があった場合の贈与税等の見直し
          個人から一般社団法人等(公益社団法人等を除きます。)に対して財産の贈与があった場合の贈
           与税等の課税について、贈与税等の負担が不当に減少する結果とならない要件の明確化がなされま
           した。
    (2)小規模宅地等の軽減特例の見直し
       ①. 特定居住用宅地等(80%の評価減)の適用対象となる居住用宅地等の取得者要件の改正
         ・被相続人と同居していない親族(配偶者を除きます。)に適用される要件が次のように改正されまし
         た。
         ア. 相続開始前3年以内に3親等以内の親族、同族会社、一般社団法人等(親族等が役員となっている
          ものに限ります。)が所有する家屋に居住したことがない事
         イ. 相続開始前に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがない事
       ②. 特定居住用宅地等(80%の評価減)の適用対象となる居住用宅地等の範囲の改正
         ・被相続人の居住の用に供されていたと見なされる場合に次の場合が追加されました。
         ア. 介護医療院に入所した場合
       ③. 貸付事業用宅地等(50%の評価減)の適用対象となる貸付用宅地等の要件の規制の強化
         ・相続開始前3年以内に貸付を開始した場合の宅地については、貸付事業用宅地等(50%の評価減)
          の特例の適用対象から除外することされました(ただし3年を超えて事業的規模(5棟10室基準
          を満たす規模の貸付)で貸付事業(特定貸付事業といいます。)を行っていた場合の被相続人の3年
          以内貸付供用宅地等を除くこととされ、また、平成30年3月31日までに賃貸を開始した不動産
          の敷地について、平成33年3月31日までに開始した相続については従来通りとされました。)。
         *上記改正は平成30年4月1日以後に相続若しくは遺贈により取得する財産に係る相続税につい
          て適用されます。

    (3)事業承継税制の特例の創設
       ①. 特例後継者が特例認定承継会社の代表権を有していた者から、贈与又は相続若しくは遺贈により当該
         非上場の特例認定承継会社の株式を取得した場合には、そのすべての株式について当該特例後継者の
         死亡の日等までその納税を猶予することとされました。
       ②. 特例後継者が特例認定承継会社の代表者以外の者から贈与等により取得する非上場の特例認定承継会
         社の株式についても、特例承継期間(5年)内に当該贈与等に係る申告書の提出期限が到来するもの
         についてもこの特例を適用することとされました。
       ③. 現行の事業承継税制における雇用確保要件を満たさない場合であっても、納税猶予の期限は確定しな
         いこととされました。その場合にはその理由を記載した書類(認定経営革新等支援機関の意見が記載
         されたものに限定)を都道府県に提出することとされています。
       ④. 経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合に、特例承継期間(5年)経過後に特例認定承継会社
         の株式を譲渡するとき時、特例認定承継会社が合併により消滅するとき、特例認定承継会社が解散を
         するとき等には、納税猶予額を免除することとされました。
       ⑤. 特例後継者が贈与者の推定相続人以外の者(20歳以上である者に限ります。)である場合にも相続
         *上記改正は平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間に贈与等により取得する財産
         に係る贈与税又は相続税について適用されます。
       ⑥. 上記特例を受けるための前提として、特例承認計画を作成し、平成35年3月31日までに都道府県
         知事の確認を受ける必要があります。

    (4)農地等に係る相続税の納税猶予制度の改正
       ①. 公共団体等一定の要件を満たす者に対する生産緑地の以下の貸付が納税猶予の対象とされました。 
        ア. 都市農地の貸借の円滑化に関する法律に規定する一定の認定事業計画に基づく貸付
        イ. 都市農地の貸借の円滑化に関する法律に規定する特定都市農地貸付の用に供されるための貸付
        ウ. 特定農地貸付法の規定により地方公共団体又は農協が行う特定農地貸付の用に供されるための貸付
        エ. 特定農地貸付法の規定により地方公共団体又は農協以外の者が行う特定農地貸付けの用に供される
         ための貸付
       ②. 三大都市圏の特定市以外の地域内の生産緑地について、営農継続要件を終身としました。
       ③. 特例農地等の範囲に、「特定生産緑地」(注)である農地等および三大都市圏の特定市の田園住居地域
         内の農地が加えられました。
       ④. 「特定生産緑地」の指定又は指定の期限の延長がなされなかった生産緑地については、現に(平成
         33年12月31日までに)適用を受けている納税猶予に限り、その猶予が継続されることとされまし
         た。
       (注)「特定生産緑地」とは、平成33年12月31日までに平成34年1月1日から10年間、死亡
          又は故障の事由が発生しない限り自治体への買取り申し出ができない指定を受けた生産緑地を指
          します。
       *上記改正は、都市農地の貸借の円滑化に関する法律の施行の日以後に相続又は遺贈により取得した農
        地等に係る相続税ついて適用されます。

    (5)特定美術品の相続税の納税猶予制度の創設
        文化財保護法の対象となる一定の美術品(特定美術品)について、一定の美術館に寄託した場合に、所
       定の方法により計算した相続税額について当該特定美術品に係る課税価額の80%に対応する相続税を
       納税猶予することとされました(寄託相続人は3年ごとに継続届出書を所轄税務署長に提出することを
       要件とし、当該寄託相続人の死亡により当該猶予税額は免除されます。)。

    (6)相続税の申告書等の添付書類の見直し
       ・相続税の申告書等の添付書類の戸籍謄本について、その複写したもの等の被相続人の全ての相続人、
        当該相続人の法定相続分および被相続人の実子又は養子のいずれに該当するかの別を明らかにする書
        類を加えることとされました。
        *上記改正は平成30年4月1日以後に提出する申告書ついて適用されます。


    5.地方税
     (1)固定資産税(主なもの)…特定市街化区域内農地の転用新築貸家住宅およびその敷地に係る固定資産
                    税の減額措置が平成30年3月31日をもって廃止されました。
  • ビットコインの損益は総合課税の雑所得として扱われることとされました。
     この取り扱いにより、その使用により発生した所得は年金等による所得などと合算されることとされます
    (事業所得に該当する場合を除きます。)。
    注意すべき点は以下の通りです。
    ①FX取引や先物取引等または株式等取引の分離課税とされる雑所得、とは合算できないこと。
    ②損失が出た場合でも他の総合課税の雑所得があれば損益通算できること。
    ③日本円に換金した時に発生した差益相当額も雑所得の対象となること。
    なお、平成29年度の税制改正により、同年7月1日以降のビットコイン取引は消費税課税対象外取とされて
    います(課税売上割合の計算には含めません。)。
  • 役員変更登記手続きの添付書類
     重任の場合を除き、本人確認書類(住民票等)、株主証明書(法務省のHP株主リストにてひな形が公表されています。)、株主総会議事録等(代表者選任の場合は取締役会議事録も)の添付が必要です。この時、定時総会議事録を添付する場合には、決算報告書の承認に関する決議も記載しなければなりません。法務局ではその記載がないと登記申請の不備として扱うため登記が完了出来ませんので注意が必要です(一般社団法人等も同様です。)。
  • 取引相場のない株式の評価について、以下の改正がなされました。
    (1)類似業種批准方式
      イ. 類似業種の株価に、課税時期以前2年間平均が追加されました。
      ロ. 3要素に連結決算を反映させることとされました。
      ハ. 3要素の比重について、1:1:1に変更されました。
    (2)評価会社の規模区分の金額等の基準の変更
     
     この改正は、平成29年1月1日以後に、相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価について適用
    されます。
  • 広大地の評価方法が平成30年1月1日より改正されました。
     
    改正後の広大地(「地積規模の大きな宅地」といいます。)の要件は以下の通りです。
     ① 500㎡以上の地積の宅地(三大都市圏以外の地域は1000㎡以上)であること
     ② 普通商業・併用住宅地区および普通住宅地区に存する宅地であること
     ③ 規模価格差補正率を地積規模に応じて適用して補正すること
     ④ 形状補正率(奥行価格補正、不整形評価ほか)を適用すること
     ⑤容積率が400%(東京都特別区域内にあっては300%)未満であること
     ⑥農地についても適用があることとされています。
     ⑦次の計算式に当てはめて評価額を算出すること
      「地積規模の大きな宅地」の評価額
       =路線価×面積×④×③
    この結果、従来(旧財産評価通達24-4)に定められていた、中高層(3階以上)の集合住宅等の敷地用地に適しているものの除外要件が無くなり、建築物が現に建てられている土地についても、この適用があることとなりました(この結果、更に2割程度の評価減が期待されます。)。
    なお、適用対象地区区分が、「普通商業・併用住宅地区」・「普通住宅地区」に限定さていますので、ビル街地区、高度商業地区、繁華街地区、大規模・中小工場地区は適用対象外となります。また適用対象地区と非適用対象地区に双方に接する場合には正面路線価で判断されますので、適用には十分な注意が必要です。
  •  平成29年度税制改正の概要
     主な税目と改正点は次の通りです。
    1.所得税
    (1)配偶者控除及び配偶者特別控除の縮減
       ①配偶者控除(注1)                 ()は地方税の控除額
    居住者の合計所得金額   控除対象配偶者  老人控除対象配偶者
     900万円以下  38万円(33万円)  48万円(38万円)
     950万円以下  26万円(22万円)  32万円(26万円)
     1000万円以下  13万円(11万円)  16万円(13万円)
     1000万円超  なし(なし)  なし(なし)
        (注1)配偶者控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円以下(給与収入ベースで103万円
          以下)であること(同一生計配偶者といいます。)

      ②配偶者特別控除(注2)
        配偶者の所得に応じた次の区分に該当する各控除額(()は地方税控除額)
         ⅰ本人の合計所得金額900万円以下 ・・・38万円から3万円(33万円から3万円)
         ⅱ本人の合計所得金額950万円以下  ・・・26万円から2万円(22万円から2万円)
         ⅲ本人の合計所得金額1000万円以下・・・13万円から1万円(11万円から1万円)
          ⅳ 本人の合計所得金額1000万円超・・・なし(なし)
        (注2)配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が85万円以下(給与収入ベースで150万円
          以下)であること(源泉控除対象配偶者といいます。)

        *上記は平成30年分以後の所得税(住民税は平成31年度分以後)から適用されます。

    (2)医療費控除またはセルフメディケーション税制の適用を受けるにあたっての、確定申告書に添付する書
      類の改正
        医療費の明細書または医薬品購入費の明細書を添付しなければならいこととされました。この改正に
       より、従来医療費等の個別の領収書の提示または提出の義務が原則無くなり、税務署長からの提示また
       は提出が求められた場合に提示または提出すればよいこととされました。これに伴い、各納税義務者は
       原則として5年間医療費等の領収書を保管することとされました(平成30年1月1日以後に平成29
       年分以後の確定申告書を提出する場合に適用されます。ただし、平成29年分から31年分までの確定
       申告については現行の制度を適用することができることとされています。)。
       なお、保険者からの医療費通知書を医療費明細書として添付した場合は、5年間の医療費等の領収書保
       管義務は課されないこととされています。

    (3)非課税累積投資契約の創設
       NISAとの選択により新たに非課税投資口座が創設されました。
       ①対象投資商品・・・株式投資信託の受益権で上場されているもの又は公募により募集されるもので投
                 資信託約款において信託契約期間の定めがないこと又は当該間が20年以上であ
                 ること
       ②非課税対象所得・・・受益権の譲渡所得および当該投資信託の配当等
       ③非課税投資対象期間・・・平成30年1月1日から同49年12月31までの期間に支払いを受ける
                    べきもの
       ④NISAとの関係・・・NISA設定年度は適用から除外
       ⑤1年当りの投資上限金額・・・40万円
      

    2.法人税
    (1)競争力強化のための研究開発税制の見直し
       試験研究を行った場合の税額控除制度について、控除率の引き上げその範囲についての見直しがされま
       した。中小企業者等についてはさらに地方税について、税額控除の上乗せが2年間の時限措置によりな
       されました。
    (2)賃上げを促すための所得拡大促進税制の見直し
       雇用者給与等支給額の増加要件の緩和および税額控除額の拡大がされました。中小企業者等について
       はさらに地方税についても税額控除の拡大が図られました。
    (3)コーポレートガバナンス改革・事業再編の環境整備
       ① 会計監査人設置会社について、法人税等の確定申告書の提出期限の特例について原則4か月まで延長
        することができることとされました(従来は1か月まで。会計監査人設置会社以外の法人について
        の提出期限の特例については従来通り原則1か月まで(平成29年4月1日より施行)。)。
       ② 役員給与等の見直し
        1.業績連動給与について算定指標の見直し(業績連動指標の導入)が図られるとともに、役員給与等の
         範囲に株式又は新株予約権(市場価格のある株式及び新株予約権を交付するものに限られます。)に
         よる給与が追加されました。
        2.事前確定届出給与について以下の見直しが図られました(定期同額給与および業績連動給与のいずれ
         にも該当しないものに限られます。)。
         a.支給の対象に確定した数の株式および新株予約権が追加されました(市場価格のある株式及び新
           株予約権を交付するものに限られます。)。
         b.譲渡制限付株式および当該新株予約権(市場価格のある株式及び新株予約権を交付するものに限
           られます。)は事前確定届出給与から除外されました。
        3.退職給与について、業績連動給与の損金算入要件を満たさないものは全額損金不算入とされました
         (株式を交付するものに限られます。株式交付以外の退職金は従来どうりです。)。
        4.定期同額給与の範囲に、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額となる定期給与が加わり
         ました。
        5.譲渡制限付き株式または新株予約権対価とする費用の帰属事業年度の特例について見直しがされま
         した。
        
        *上記の内、退職給与ならびに譲渡制限付株式および新株予約権に係る部分は平成29年10月1日
         以後に、その他の部分は同年4月1日以後に支給又は交付に係る決議をする給与について適用され
         ます。
       ③組織再編税制の見直し
        1.適格分割の範囲に、一定の要件を満たした新設分割が加えられました。
        2.100%子法人株式の全部を分配する現物分配について規定がされました(分割型分割の株主に対
         する取扱いと同様の取り扱いとなります。)。
        3.吸収合併および株式交換に係る適格要件のうち,対価要件について見直しがされました。
        4.全部取得条項付種類株式の端数処理等・株式売渡請求による完全子法人化について組織再編税制と
         しての位置づけの規定がされました。
        5.非適格株式交換等に係る完全子法人等の有する資産の時価評価および連結納税の開始または加入に
         伴う資産の時価評価について、時価評価対象資産の範囲から帳簿価額が1000万円未満の資産が
         除外されました。
        6.みなし配当の起因となる自己株式の取得につき、全部取得条項付種類株式に係る定めの定款変更決
         議に反対の株主からの買取り請求に係る自己株式の取得が、その範囲から除外されました。
        7.各組織再編税制における適格要件の見直し(
          a.企業グループ内の分割型分割における関係継続要件の見直しがなされました。
          b.共同事業を行うための合併等における株式継続保有要件が緩和されました。
          c.当初の組織再編の後、他の組織再編が行われる見込みである場合の当初要件についての見直し
           がされることとされました。
        8.営業権ならびに資産調整勘定および負債調整勘定の償却方法について、取得年度の償却限度額の
          計算上、月割計算を行うこととされました。
         
         *上記の内、3~7については平成29年10月1日以後に行われる組織再編について適用される
          こととされています。
        
    (4)中堅・中小企業の支援
       1.地域中核企業向け設備投資促進税制の創設
        …取得価額2000万円以上の特定地域中核事業設備等に
         係る機械 装置・器具備品・建物及びその付属設備・構築物について特別償却または税額控除が認め
         られたこと(平成31年3月31日まで)。
       2.中小企業向け設備投資促進税制の拡充
        a.中小企業投資促進税制の上乗せ措置
         生産性向上設備等に係る即時償却の対象資産をすべての器具備品および建物付属設備を対象とす
           ること
        b.特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却または税額控除
         生産設備等を構成する機械装置・工具・器具備品・建物付属設備・ソフトウェアで特定経営力向
           上設備等に該当する一定のものについて、即時償却または取得価額の7%(特定中小企業者等にあ
           っては10%(当期の法人税額の20%を限度)の税額控除との選択適用が認められました(平成
           29年4月1日から同31年3月31日までの間に国内において事業の用に供したもの)。

    (5)地方創生の推進
       1.地方活力向上地域における特定建物等を取得した場合の特別償却または税額控除について控除率引き
         上げと適用期限の1年間の延長がされました。
       2.特定地域における雇用者数が増加した場合の税額控除についてその限度額の引上げが行われました。
       3.移転型事業の特定業務施設における増加従業員の転勤者要件の見直しがされました。

    (6)災害に関する税制上の措置等
       1.災害損失金について、災害損失欠損金額に対応する部分の金額の法人税の還付請求制度が創設されま
          した。
        災害が発生した日から1年を経過する日までの間に終了する事業年度または同日から6か月を経過
          する日までの間に終了する中間期間において生じた災害損失欠損金額(その災害により棚卸資産棚
          卸資産等について生じた損失で一定のもの)を対象。
       2.特定非常災害の指定を受けた場合の被災区域において一定期間(発災日から5年を経過する日まで
         の期間)内に被災代替資産を取得した場合の特別償却制度の創設。
               
     資産区分  発災日から3年間  同4・5年目
     建物又は構築物  15%(18%)  10%(12%)
     機械装置  30%(36%)  20%(24%)
                ()内は中小企業者等が取得した場合
       3.上記2同様、買換資産について一定の要件のもとその予定期間を2年の範囲内で延長できることと
         されました。
       4.復興産業集積区域等における機械等を取得した場合の特別償却または税額控除制度のうち復興居住
         区域に係る措置について適用期限を4年延長するほか、被災者向け優良賃貸住宅の特別償却率を引
         き下げることとされました。
       5.被災者向け優良賃貸住宅の割増償却制度について見直しを行ったうえで4年延長されました。

    (7)円滑・適正な納税のための環境整備
       1.納税地の異動があった場合の届出手続きについて、異動後の納税地の所轄税務署長への提出が不要
         とされました。
       2.法人の設立届出書等について登記事項証明書の添付が不要とされました(平成29年4月1日以後の
         届出より適用)。
       3.外国税額控除制度および試験研究開発税制について、増額更正に伴うこれらの控除枠の増加による
         控除の連動した取扱いが明文化されました。
    (8)その他租税特別措置等
       1.協同組合等が出資する連合会等の普通出資に基づく配当金につき、その50%相当額が益金不算入
         とされました。
       2.その他所要の措置が手当てされました。

    3.消費税
    (1)仮想通貨(いわゆるビットコイン)の係る課税関係の見直し
       仮想通貨(資金決済に関する法律に規定するものに限られます。)の譲渡について、消費税を非課税と
      することとされました(平成29年7月1日以後に国内において事業者が行う取引に係るものより適用)。
      課税売上割合の計算上は分母となる金額には含めないこととされました(平成29年6月30日以前に国
      内において事業者が行う取引に係るものは課税取引とされます。)。

    (2)入国旅客者が到着時免税店で購入した外国貨物について、消費税が免除されることとなりました。

    4.相続・贈与税
    (1) 非上場株式等に係る納税猶予制度の見直し
       1.災害等による被災者について、納税猶予制度の要件の緩和が図られました。
       2.相続時精算課税制度に係る贈与がこの制度に加えられることとされました。
       3.贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予制度における認定相続承継会社の要件について、中小企
         業者であることおよび当該会社が非上場会社であることの要件が撤廃されました。
      
        *上記改正は平成29年1月1日以後に相続若しくは遺贈または贈与により取得する財産に係る相続・
        贈与税について適用されます。

    (2)相続税または贈与税の納税義務の見直し
       1.相続税および贈与税の納税義務者の範囲が拡大されました。
        ア. 課税対象外とされる国外財産の要件について、日本国籍を有する被相続人等および相続人等の国内
          での住所を有した期間を、相続等の前10年超とする改正がされました。
        イ.課税対象外とされる国外財産の要件について、国内に住所を有しない日本国籍を有しない相続人等
         が相続等開始前10年以内に国内に住所を有していたまたは過去15年以内に国内居住期間が10
         年超の日本国籍の無い被相続人等から相続等により取得した国外財産を相続税の課税対象とするこ
         ととされました。
        ウ.贈与税についても同様の取り扱いをすることとされました。
      
        *上記改正は平成29年4月1日以後に相続若しくは遺贈または贈与により取得する財産に係る相続税
        または贈与税について適用されます。

    (3)持分の定めの無い医療法人の医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限の3年間の延長
       
    5.国際課税
    (1)外国子会社合算税制等の総合的見直しがされました。
       1.外国関係会社の判定割合における間接保有割合の判定方法について、内国法人等との間に50%超
         の株式等保有割合の連鎖関係を有する外国法人が外国関係会社に該当することとされました。
       2.外国法人の残余財産のおおむね全部を請求することができる等の関係がある場合の当該外国法人を
         外国関係会社の範囲に加えるとともに、当該関係を有する居住者または内国法人を外国子会社合算
         税制の対象とすることとされました。
       3.特定外国子会社等の判定基準について租税負担割合基準が廃止されました。
       4.会社単位の外国子会社合算税制の適用除外基準の見直し
         a.経済活動基準の導入(以下のすべての基準を満たすこと)
          ア. 事業基準航空機貸付事業外国関係会社についての役員・従業員要件の厳格化
          イ. 実体基準および管理支配基準保険業委託外国関係会社についての当該基準の充足の判定を
                          受託者が当該基準を満たしているか否かで行うこと
          ウ. 所在地国基準製造業外国関係会社について本店所在地国における重要業務の有無で判定
          エ. 非関連者基準予め関連者へ移転又は提供されることが定まっている場合の取引のみなし関
                   連者取引判定の導入(航空機貸付事業および保険業を除く。)
          オ. 国税当局への書類等の提出がない場合の経済活動基準の否認規定の導入
         b.合算税制等適用対象となる所得金額の計算
           ・・・持分割合25%以上の外国法人からの受取配当を除外。
         c.適用免除
           会社単位の外国子会社合算課税の適用対象となる外国関係会社の所得に課される租税負担割合
          が20%以上である場合には当該制度の適用除外とされました。
       5.一定所得の部分合算課税制度の見直し
         a.部分合算課税制度の対象となる所得の範囲
          ア. 利子(一定の要件を満たす貸付利子および預金利子を除く。)
          イ. 配当等(持分割合が25%以上等の要件を満たす法人からの配当は除外。)
          ウ. 有価証券の貸付の対価
          エ. 有価証券の譲渡損益、デリバティブ取引損益、外国為替損益および類似取引所得(ヘッジ目
            的のものを除く。)
          オ. 有形固定資産の貸付の対価(本店所在地国使用のもの等を除く。)
          カ. 無形資産等の使用料(一定のものを除く。)
          キ. 無形資産等の譲渡損益(一定のものを除く。)
          ク. 外国関係会社の利益の額からアからキまでの所得金額および一定の計算方法により算定した所
            得控除金額を控除した残額に相当する金額
         b.部分合算税制等適用対象金額に係る欠損金の繰越控除
           ・・・上記エおよびキの金額がマイナスである場合の当該マイナス金額の繰越欠損金からの除外
         c.金融子会社等に係る部分合算課税制度の例外
           一定の要件を満たす金融子会社等については合算対象となる所得の範囲に例外規定が設けられ
           ました。
         d.適用免除
          ア. 部分合算課税の適用対象となる外国関係会社の所得に課される租税負担割合が20%以上であ
           る場合には当該制度の適用除外とされました。
          イ. 少額免除基準金額の引き上げ
            2000万円以下に引き上げ(従来は1000万円以下。)
       6.会社単位の合算課税制度適用対象となる特定の外国関係会社(特例規定)
         a.以下の要件全てを満たさない外国関係会社
          ア. 事務所等の固定施設を有していること
          イ. 本店所在地国において事業の管理、支配および運営を自ら行っていること
          ウ. 国税当局の当該職員から提出を求められた書類等が期限までに提出されること
         b.総資産に対する所得金額の割合が30%超であること(総資産に含まれる有価証券・貸付金およ
          び無形固定資産等の合計割合が50%超である外国関係会社に限られます。)
         c.租税に関する情報の交換に非協力的な国または地域として財務大臣が指定する国または地域に本
          店等を有する外国関係会社
         d.外国関係会社の租税負担割合が30%未満である場合
        
         *上記の改正は、平成30年4月1日以後に開始する外国関係会社の事業年度より適用されます。

    6.地方税
      
    震災等により滅失又は損壊した固定資産について一定の期間内(注)に被災代替資産を取得等した
     場合に
    つき、災害に関する税制上の措置として、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の制度が創設
     されました。
     (1)償却資産税4年間課税標準を2分の1とする
     (2)家屋同上
     (3)被災住宅用地で家屋・構築物の敷地以外の土地4年間住宅用地とみなす(被災市街地復興推進地域に
        限定)
      (注) 震災等の発生した翌年の3月31日から起算して4年以内の期間

       *上記の改正は、平成28年4月1日以後に発生した震災等の事由による代替資産等について
        平成29年度以後の年度分の固定資産税等について適用されます。
  • 平成29年1月1日より適用の新たな医療費控除制度(セルフメディケーション税制)について
     ドラッグストア等にて購入する一定の医薬品(厚生労働省のHPにて掲載中(2か月ごとに更新中))について、平成29年分の所得より控除できる制度が平成28年度税制改正にて設けられたところですが、具体的には以下の要件を満たすことが必要となります。
    ①旧来の医療費控除制度との選択制であること
    ②実際の購入金額が12,000円を超えた部分でかつ、所得控除限度額は8万8000円とされること(所得控除適 用購入上限額は10万円となります。)
    ③必要事項が記載されたレシート等が必要となること(業界の自主取り組みにより一定の識別マークを表示する ことにより峻別される予定)
    ④いわゆる調剤薬局で処方される医薬品は除外されること
    ⑤レシート等(証明書類)の記載事項(次の5項目)に漏れがないこと
      イ.商品名 ロ.金額 ハ.セルフメディケーション税制対象品であること ニ.販売店名 ホ.購入日
      (セルフメディケーション税制HP
    なお、従来型の医療費控除との選択制ですので、領収書はセルフメディケーション税制のものと従来の医療費
    領収書とに分けて管理しておくことが必要です(なお、平成29年度税制改正により領収書の添付に代えて医薬
    品購入明細書の提出に代えることができることとされています。ただし何れも領収書は5年間保存する必要があ
    ります。) 。
  •  平成28年度税制改正の概要
     主な税目と改正点は次の通りです。
    1.所得税
    (1)三世代同居対応住宅のためのリフォームに係るローン控除の創設(平成28年4月1日より同31年6月30日までの間の居住に供したもの;最長5年間・250万円の控除を限度)
    (2)一定の医薬品購入による医療費控除の創設(年間10万円を限度(足切り金額12千円)に所得控除;従来の医療費控除との選択制;平成29年1月1日から同33年12月31日までの支出に係るものに適用)
    (3)相続に係る空き家の譲渡所得の3000万円控除の創設(平成28年4月1日より同31年12月31日までの間の譲渡で相続開始時より3年を経過する日の属する12月31日までの譲渡(1億円以下のものに限定))
    (4)国立大学法人等への個人寄附金の税額控除・義務教育学校を設置する学校法人に対する寄附金の特定寄附金の対象化の導入(前者は平成28年4月1日に支出する寄附金より、後者は平成28年度分以後の所得税について適用)
      
    2.法人税
    (1)法人税率の引下げ(23.2%へ:平成28年4月1日以後開始事業年度分については23.4%、平成30年4月1日以 後開始事業年度分について23.2%)
    (2)欠損金の繰越控除限度額の引下げ
      (控除限度額が段階的に100分の50へ縮小:中小法人等を除く資本金1億円超の法人に限定)
    (3)青色申告の繰越欠損金の繰越控除期間の延長
        (10年間:平成30年4月1日以後開始事業年度において生じた欠損金について適用)
    (4)雇用者数が増加した場合の法人税額の特別控除の見直し
    (5)外形標準課税の更なる拡大(地方税:資本金1億円超の法人)
    (6)雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除の上記(4)の制度との重複適用の承認
    (7)減価償却資産の償却方法の改正(建物附属設備・構築物・鉱業用減価償却資産について定額法のみとすること(平成28年4月1日以後取得資産より適用)
    (8)法人税版ふるさと納税(地方創生応援税制)の創設(法人事業税(支出額の10%)及び法人住民税(同20%)より追加控除(いづれも上限が設定);平成28年4月20日以後同平成32年3月31日まで)

    3.消費税
    (1)消費税率の軽減税率の導入(「酒類・外食を除く飲食料品」および「週2回以上発行される新聞の定期購読料」について軽減税率を導入)
    (2)軽減税率は8%(平成29年4月1日より適用)
    (3)インボイス制度の導入(平成33年4月1日以後)
    (4)非居住者への輸出物品販売場における同一店での1日の販売価額の合計額の免税金額の下限金額が、一般物品および消耗品ともに5000円以下に引下げ(平成28年5月1日以後の譲渡より適用
    (5)高額特定資産(税抜金額が1000万円以上の棚卸資産または調整対象固定資産)を取得した場合の中小事業者は、3年間は事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用除外とされたこと(平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合に適用)
    (6)電気通信利用役務の提供を受けた場合の内外判定基準の見直し(リバースチャージ制度の見直し)
     国内事業者が海外の恒久的施設で受ける事業者向け電気通信利用役務について、国内以外の地域のみの取引に係るものは国外取引とされたこと(平成29年1月1日以後行う電気通信利用役務の提供より適用)

    4.相続・贈与税
    (1)贈与税の配偶者控除の適用(婚姻期間が20年以上の配偶者への居住用財産の贈与税非課税制度(2千万円以下の部分))を受ける場合の添付書面について、登記事項証明書から当該居住用不動産を取得したことを証するもの(例えば贈与契約書)に改められたこと(平成28年1月1日以後行う贈与より適用)
    (2)国外転出時課税の適用がある場合の相続税に係る更正及び決定の特則の改正
    (3)農地等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の改正
  •  相続があった場合の業務承継相続人の届出に関する注意事項(所得税)
     
    事業経営、不動産事業、山林経営を新たに承継する相続人が当該相続人の納税地を管轄する税務署への届出についての忘れがちな事項を記します。
    ①青色申告の承認申請の届出の提出期限
     ・相続発生日が1月1日~10月31日までの場合…相続発生日より4か月以内
     ・相続発生日が11月1日~12月31日までの場合…翌年2月15日まで
    減価償却方法の選定(引継ぎ)および届出
     被相続人が選定していた償却方法の引継ぎにあたり、その償却方法が法定償却方法ではない場合には、改めて相続人が償却方法の届出をする必要があります。その場合の届け出期限は、相続により取得した日の属する年分の確定申告書の提出期限となっています(建物については(旧)定額法のみとなっています。)。

     
  • H28年度償却資産税申告に当たって、特例の適用のお忘れにご注意
     ① 再生可能エネルギーに係る特例(太陽光発電等設備で、10kw以上の発電出力のあるものが対象となります。)…平成24年5月29日から同28年3月31日までに取得したもの
               ➡3年間、固定資産税額が3分の2に減額されます。
     ② ノンフロン製品に係る特例(自然冷媒(アンモニア、空気,Co2、水)を利用した一定の冷蔵・冷凍機器が対象となります。)…平成26年4月1日から同29年3月31までに取得したもの
               ➡3年間、固定資産税額が4分の3に減額されます。
    いずれも、特例計算届出書その他一定の書類の添付が必要となります。
  • 平成27年度税制改正の概要
      主な税目と改正点は次の通りです。
    1.所得税
     (1)住宅ローン控除等の延長(1年6月の期間延長)
     (2)国外居住の親族に係る扶養控除等について一定の書類の添付等の義務化
        (平成28年1月より)
     (3)確定拠出年金法の改正に伴う掛け金上限額の引き上げ
     (4)ふるさと納税の拡充および手続きの簡素化
     (5)少額上場株式等に係る配当及び譲渡所得非課税制度(NISA)の拡充
        (年間120万円まで。平成28年度分より)
      
    2.法人税
     (1)法人税率の引下げ(23.9%へ:平成27年4月1日以後開始事業年度より)
     (2)欠損金の繰越控除限度額の引下げ
                 (控除限度額が100分の65へ:資本金1億円超の法人に限定) 
     (3)青色申告の繰越欠損金の繰越控除期間の延長
                  (10年へ:平成29年4月1日以後開始事業年度において生じた欠損金について
                  適用)
     (4)所得拡大促進税制の拡充(雇用者給与等の総支給額の増加割合を5%から4%に
                 引下げ)
     (5)外形標準課税の拡大(地方税:資本金1億円超の法人)
     (6)中小企業者の所得拡大促進税制の見直し
                 (雇用者給与等の総支給額の増加割合を5%から3%に引下げ) 
     (7)特定資産の買換えの特例の適用期限の延長(9号関係) 
     (8)受取配当金の益金不算入額の縮減がされました(平成27年4月1日以後に開始する事
        業年度に受け取る配当金より

        ①完全子会社株式等;配当金の全額
        ②関連法人株式等(所有割合1/3超);配当金額ー負債利子額
        ③その他の株式等(所有割合5%超且つ1/3以下);配当金額×50%
        ④非支配目的株式等(所有割合5%以下);配当金額×20%
                        
    3.消費税                                               (1)消費税率の10%(国・地方合計)への引上げ時期の変更(平成29年4月1日へ)
     (2)外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
     (3)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し
               :国外事業者の役務提供(電気通信利用役務の提供という)に係る消費税納税義務者を
                  役務の提供を受ける事業者とすること(特定課税仕入れ制度の創設;リバースチャージ
                  方式という) による新たな消費税納税義務の発生(平成27年10月1日以後に国内に
                おいて取引される役務提供分より適用) 
  • 4.相続・贈与税                                           (1)住宅取得等資金贈与の贈与税の非課税措置の延長および拡充(平成31年6月30日まで
                延長)
      ①消費税率10%が適用される場合の非課税限度額(注)
     住宅用家屋の取得等に係る契約期間  良質な住宅用家屋  左記以外の住宅用家屋
     平成28年10月~平成29年9月 3000万円  2500万円
     平成29年10月~平成30年9月  1500万円  1000万円
     平成30年10月~平成31年6月  1200万円  700万円
    (注) 平成27年1月1日から平成28年9月30日までに既に下記②の贈与の特例を受けた受贈者であっても、上記の期間内に再び住宅取得等資金贈与の特例を受けることができます(例えば特例適用後、売却して再び住宅を取得するケースあるいは増改築をするケースなど)。

      ②①以外の場合
     住宅用家屋の取得等に係る契約期間  良質な住宅用家屋  左記以外の住宅用家屋
     平成27年12月31日まで  1500万円  1000万円
     平成28年1月~平成28年9月  1200万円  700万円
     平成28年10月~平成29年9月  1200万円  700万円
     平成29年10月~平成30年9月  1000万円  500万円
      平成30年10月~平成31年6月  800万円  300万円

    (2) 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度の創設(20歳以上50歳未満の者が直系尊属よ
    り 結婚・子育て資金として信託会社等を経由等をして贈与を受けた場合1000万以下の金額を非課税とす
    る制度の創設(平成27年4月1日から同31年3月31日までの期間)
    (3)教育資金一括贈与の非課税措置の延長(平成31年3月31日まで延長)  
    (4)国外贈与時・相続時課税制度の導入(平成27年7月1日以後の贈与・相続・遺贈より)
       一定の有価証券等(適用対象資産)について、非居住者に対し贈与または相続により当該資産の移転が
    あった場合に、譲渡があったものとみなして贈与者または被相続人(適用対象者)に当該有価証券等の譲渡所
    得税(住民税は不課税)を課す、という制度です。
    (適用対象資産)‣‣‣贈与または相続開始時において所有する有価証券等の時価総額が1億円
               以上である場合の当該有価証券等の全部または一部の贈与または相続
                   
    (適用対象者)‣‣‣ 贈与者または被相続人で、贈与または相続開始の日10年以内において
               日本国内に5年超住所等を有している者
        
    (例外)‣‣‣当該譲渡所得税の納税猶予が一定の要件のもと、認められています。
  • 国民番号(マイナンバー)制度に基づく個人番号および法人番号の通知 
     平成28年1月1日よりマイナンバー(国民番号)制度が施行されることに伴い、平成27年10月より、国
    民一人ひとりに住所のある各自治体から一人一つの番号が書留にて通知される予定です(「通知カード」による
    こととされています。)。この番号は原則、生涯変わらない永久番号とされています(同じ番号は存在しないこ
    とになっています。)。マイナンバーは中長期の在留者・特別永住者等の外国人にも適用されます。また、法
    人(申告義務を有する人格なき社団(任意)も含まれます。)についても番号が付されることとされてれています
    が、この番号の通知(本店所在地への普通郵便)は、国税庁よりなされることとされています。
  • ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設
     平成27年4月1日以後に個人が好きな地方団体に寄付した場合の寄付金控除(所得税及び住民税の控除)が
    確定申告をしなくても済むようになりました。ただし、次の要件を満たす必要があります。
     ①医療費控除や住宅ローン控除を受けるため等、確定申告をする必要がある場合でないこと
     ②ふるさと納税を行う地方自治体の数が5以下であること
     ③ふるさと納税先の地方自治体に特例の申請書を提出すること
     ④平成27年3月31日までに行ったふるさと納税でないこと(この場合は確定申告が必要となります。)
     この制度を利用した場合の寄付金控除は翌年の住民税から全て控除されることとなります(所得税控除は発
    生しません。)。なお、ふるさと納税先が6か所以上となった場合あるいは確定申告をした場合にはこの制度の
    適用はなかったものとされ、その旨が自治体から通知される予定です(この場合には従来通り、所得税及び住
    民税からの控除となります。)。
                    
  • 平成26年度税制改正 主な税目と改正点は次の通りです。                       1.所得税                                              (1)高額な給与収入の給与所得控除額の上限額の縮減が決まりました。
       平成27年 度 まで  平成28年度分  平成29年度分以降
     上限額の定めのある給与収入額 1500万円   1200万円   1000万円
     給与所得控除の上限額   245万円    230万円    220万円
    (2)同族会社の発行する社債が特定公社債から除外(平成28年1月1日以降発行のものより)されたことに
    伴い、同社債の利子についても平成28年1月1日以降に支払を受ける分につき、総合課税の対象とされるこ
    とされました。
    (3)土地、住宅税制の改正
      ①   特定居住用財産の買い換えの特例および交換の特例における譲渡資産の譲渡価額の上限
    が1億5千万円から1億円に引き下げられました(平成26年1月1日以降譲渡より平成27年12月31日
    まで)
      ② 相続財産たる土地等を譲渡した場合の取得費加算の特例について、取得費加算の対象となる相続税額 が
    その譲渡した土地等にかかわる部分のみ(改正前は譲渡人が相続した土地すべてにかかわる相続税相当分)に
    縮減されました(平成27年1月1日以後に開始する相続または遺贈により取得した資産の譲渡より適用され
    ます。 )。
    (4)ゴルフ会員権の譲渡損失の他の所得との損益通算の廃止が規定されました(平成26年4月1日以降の譲
    渡分より適用されます。)
    2.法人税
     (1) 雇用促進税制の拡充(法人税額控除制度)
         雇用者給与等支給額の増加割合が5%から引き下げられました。
      ① 平成27年4月1日前開始事業年度;2%以上
      ② 平成27年4月1日以降平成28年3月31日までの開始事業年度;3%以上
      ③ 平成28年4月1日以降平成30年3月31日までの開始事業年度;5%以上(従前通り) 
     (2) 研究開発税制の拡充
       増加試験研究費を基準とした税額控除制度について、その増加割合が引き上げられることとされました
    (従来の5%から最大30%まで)平成26年4月1日から同29年3月31日までの間に開始する事業年度
    について適用されます。)
     (3) 生産性向上設備投資促進税制の創設
       生産設備等を構成する一定の設備投資を行った場合に、取得価額までの全額償却または取得価額の5%
     (建物及び構築物は3%)の税額控除のいずれかを選択適用することができることとされました(産業競争力強
    化法の施行日(平成26年1月20日)から同28年3年3月31日までの間に取得等をして事業の用に供した
    設備について適用されます。)。 
     (4)  交際費等の損金算入額の拡充 
       飲食費(専ら法人内の人間のために行われるものは除きます。)にかかわる支出で、交際接待のために
    支出される飲食費について、その50%部分について損金算入がすべての法人に認められることとされま した
    (平 成26年4月1日から同28年3月31日までの間に開始する事業年度について適用されます。 なおこの
    制度 は中小法人についても適用がありますが、定額控除(800万円)との選択適用となります。)。
    (5)法人地方税の改正
       ① 法人住民税の改正
             地方法人税の創設に伴い、従来の法人税割の税率が引き下げられることとされました。
           ・道府県民税法人税割3.2%(改正前5.0%)
       ・市町村民税法人税割9.7%(改正前12.3%)
       ・地方法人税の創設法人税額の4.4%
          ② 法人事業税の改正
       ・地方法人特別税
        イ.所得割および収入割事業税43.2%(改正前81%)
        ロ.付加価値割等による事業税67.4%(改正前148%)
       ・法人事業税(所得割および収入割)所得区分に応じ、0.7%~1.4%増加
        (いずれも平成26年10月1日以降開始事業年度より適用されます。)
    3.相続税・贈与税
    (1) 医療法人の相続税および贈与税の納税猶予制度の創設
       持分の定めのある医療法人の持分を相続または遺贈(個人に限られます。)により取得した場合、若しく
    は持分の放棄により受贈者として贈与税が課される場合、当該医療法人が移行計画の認定を受けた医療法人で
    ある場合に一定の期間当該持分の価額に係る相続税若しくは贈与税相当額について納税を猶予し、 一定期間内
    (移行期限まで)に当該持分をすべて放棄したときは当該猶予相続税額若しくは贈与税額が全額免除されるこ
    ととされました。この制度は持分の定めのない認定医療法人への移行計画の認定制度の 施行の日から3年間(平
    成26年10月1日以後平成29年9月30日まで)の間に発生した相続または遺贈に係る相続税若しくは贈
    与税について適用されることとさ れています。

    (2) 平成27年1月1日以後発生の相続または遺贈にかかわる相続税の基礎控除の引下げおよび税率の引上げ 
      ① 基礎控除額の引下げ
        3000万円+600万円×法定相続人数(改正前;5000万円+1000万円×法定相続人数)
      ② 相続税率の引上げ(以下の通り。カッコ内は税額控除金額)
        
     各相続人が取得する金額  H27年1月1日以後の税率  H26年12月31日以前の税率
     1000万円以下  10%(-)  同左
     1000万円超3000万円以下  15%(50万円)  同左
     3000万円超5000万円以下  20%(200万円)  同左
     5000万円超1億円以下  30%(700万円)  同左
     1億円超2億円以下  40%(1700万円)  同左
     2億円超3億円以下  45%(2700万円)  40%(1700万円)
     3億円超6億円以下  50%(4200万円) 50%(4700万円)
     6億円超  55%(7200万円) 50%(4700万円)

    (3) 平成27年1月1日以後の贈与にかかわる贈与税の改正
       直系尊属からの贈与(20歳以上の者への贈与に限ります)の区分が新たに設けられました(この贈与に該
    当する場合はそれ以外の一般の贈与より税率が低く設定されています)。以下に贈与の区分別の税率表を記載
    しておきます(カッコ内は税額控除金額)。
     基礎控除後の課税価額  H27年1月1日以後の税率(直系尊属から20歳以上の者への贈与)  H27年1月1日以後の税率(一般の贈与)  H26年12月31日以前の税率(一般の贈与)
     200万円以下  10%(-)    10%(-)   10%(-)
     300万円以下  15%(10万円)   15%(10万円)   15%(10万円)
     400万円以下   15%(10万円)   20%(25万円)  20%(25万円)
     600万円以下   20%(30万円)   30%(65万円)   30%(65万円)
     1000万円以下   30%(90万円)   40%(125万円)   40%(125万円)
      1000万円超   40%(190万円)   45%(175万円)   50%(225万円)
     1500万円以下  40%(190万円)  45%(175万円)   50%(225万円)
     3000万円以下   45%(265万円)  50%(250万円)   50%(225万円)
      3000万円超   50%(415万円)   55%(400万円)   50%(225万円)
     4500万円以下   50%(415万円)    55%(400万円)  50%(225万円)
    4500万円超    55%(640万円)    55%(400万円)   50%(225万円)
          
    4.その他の税目                                          (1) 消費税の改正
     ・簡易課税制度におけるみなし仕入率の改正                               平成27年4月1日以後開始する課税期間ついて従来の5業種から6業種に変更されるとともに みなし仕入
     率について、金融および保険業を第5種事業に変更しみなし仕入れ率を50%(改正前は第4種事業に 該当み
     なし仕入れ率は60%)、不動産業を第6種事業に新規移行みなし仕入れ率を40%(改正前は第5種事業に該
     当みなし仕入れ率は50%)に引き下げられました。
    (2) 国税不服申立制度の見直
         国税の処分に不服がある場合の不服申立の手続きが、原則異議申立てから、審査請求または再調査の請求
    (仮称)へ変更されるとともに、不服申立て期間が「処分があったことを知った日の翌日から3か月以内」
    (現行2か月以内)に延長されることとされました(この改正は行政不服審査法施行の日より適用されます
     。)。

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