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2021.01.07

その他の国税に関する整備事項

令和3年度税制改正 その他

• 納税地の異動があった場合における質問検査権の管轄の整備

法人税・地方法人税又は消費税に関する調査について、調査通知後に納税地の異動があった場合において異動前の所轄税務署長等が必要と認めるときは、その異動前の所轄税務署長等の当該職員が質問検査権を行使することができることとされました(従前は異動後の所轄税務署等の当該職員の権限に移行することとされていました。)。
(令和3年7月1日以後に新たに納税者に開始する調査および当該と遊佐に係る反面調査について適用されます。)

• 節税型保険の見直し

低解約返戻金型保険契約等の名儀変更(法人から役員への変更)による評価方法(金額)が令和3年7月1日より変更されました。
令和元年7月8日以後に契約した一定の低解約返戻金型保険契約等について、令和3年7月1日以後に名義変更した場合の保険契約の評価につき、解約返戻金額ではなく資産計上額(帳簿金額)とされました。この結果、解約返戻金相当額と帳簿金額との差額相当額の損金計上が認められないこととされましたので注意が必要です。

  • (注)低解約返戻金型保険契約等とは、名義変更時の解約返戻金の額<名義変更時の資産計上額(帳簿金額)×70%のものとされています。

• 新型コロナウィルス感染症等の影響に対応するための臨時特例法の概要

  • 1.納税猶予の特例
    • …令和2年2月1日以後に納税者の事業に相当な収入の減少があったこと等の事実がある場合には、国税通則法に規定する震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害により相当な損失を受けた場合に該当するものとみなして納税猶予の規定を適用することができることとされました。国税庁㏋納税猶予
  • 2.給付金の非課税
    • …市町村または特別区から給付される給付金(事業に対する給付金は除かれます。)は非課税かつ、国税徴収法に規定する滞納処分の差し押さえ対象外とされます。
  • 3.イベントの中止による入場・参加等の権利の放棄をした場合の所得税法上の寄付金控除または税額控除の適用
    • …令和2年2月1日から同3年12月31日までの期間内に当該放棄をした場合には確定申告等において所得税法上の寄付金控除または税額控除の適用を受けることができることとされました。
  • 4.住宅借入金(いわゆるローン)控除適用要件の、取得等の後6か月以内の居住要件の緩和
    • …令和3年12月31日までの居住の用に供した場合と、緩和されました。
  • 5.資本金1億円超10億円以下の法人(大規模法人との間に完全支配関係がある場合等は除外)の欠損金の繰戻還付による還付の適用
    • …中小企業者に限定されていた繰戻還付による還付制度について企業規模が拡大され、令和2年2月1日から同4年1月31日までの間に終了する各事業年度において生じた欠損金についてその適用があることとされました(連結欠損金および法人課税信託の受託者についても同様)。
  • 6.消費税の納税義務の免除の適用を受けない旨の届出等に関する特例の創設
    • ①令和3年1月31日までの期間において一定の期間に著しい収入の減少があった場合、当該著しい収入の減少があった期間を含む課税期間(特定課税期間)以後の課税期間について課税事業者選択の適用を受ける必要が生じた事業者(特例対象事業者)について、所轄税務署長の承認を前提として、特定課税期期間開始の日の前日に課税事業者選択の届出書の提出があったものとみなされることとされました(この場合においては2年間の納税義務者の継続義務は適用されないこととされました。)。
    • ②特定課税期期間以後の課税期間について課税事業者選択の適用をやめる必要が生じた特例対象事業者については、轄税務署長の承認を前提として、課税事業者の選択をやめようとする課税期期間開始の日の前日に課税事業者選択とりやめの届出書の提出があったものとみなされることとされました(この場合においては2年間の納税義務者の継続義務は適用されないこととされました。)。
    • ③新設法人または特定新規設立法人(他の者により50%超の出資比率を持たれ且つ当該者の想定基準期間の課税売上高が5億円超である場合の当該被支配法人)に該当する特例対象事業者について、特定課税期間以後の課税期間につき、調製対象固定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用を受けないことが必要となった場合には、所轄税務署長の承認を前提として、特定課税期間以後の課税期間については、調製対象固定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用はされないこととされました。
    • ④特定課税期間の初日以後2年を経過する日の属する課税期間までの課税期間において高額特定資産(税抜価額が1000万円以上の棚卸資産または固定資産(自己建設資産を除く))を取得した場合に該当する特例対象事業者について、高額特定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用を受けないことが必要となった場合において、所轄税務署長の承認を受けた場合には、特定課税期間以後の課税期間については、高額特定資産を取得した場合の課税期間の特例の規定の適用はされないこととされました。
    • ⑤上記①により納税義務者となった場合の特例対象事業者については、(免税事業者であった)特定課税期間の初日以後2年を経過する日の属する課税期間までの課税期間において取得した高額特定資産である棚卸資産等につき調整を受けることとなった場合に該当するときは、課税事業者となった課税期間の初日において課税仕入れがあったものとみなす規定の適用を受けた場合におけるいわゆる3年縛りの規定の適用を受けないことが必要となった場合には、所轄税務署長の承認を前提として、当該特定課税期間以後の課税期間(納税義務が免除されない期間に限られます。)については適用はされないこととされました。
  • 7.特別貸付に係る消費貸借契約書の印紙税の非課税
    • …公的貸付機関(地方公共団体または株式会社日本政策金融公庫等)若しくは金融機関による、新型コロナウィルス感染症およびそのまん延防止のための措置によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う融資の際に作成される金銭消費貸借契約書(令和3年1月31日までに作成されるものに限られます。)に貼付するべき印紙税は非課税とされました。

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