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2020.01.07

所得税

令和2年度税制改正 所得税

(1)NISAの改正

  • ①つみたてNISA(非課税累積投資契約;上場投資信託等で年間投資上限額40万 円、20年間)の勘定設定期間の5年の延長(令和24年12月31日まで)
  • ②ジュニアNISA(未成年者非課税口座;上場株式・投資信託で年間投資上限額80万円、5年間)が令和5年12月31日までの口座開設をもって終了とされたこと
  • ③一般NISA(非課税上場株式等管理契約;上場株式・投資信託等で年間投資上限額120万円、5年間)が令和6年1月1日以降は、年度毎に最初の20万円は株式投資信託でかつ継続的買い付けを、次の102万円は上場株式・投資信託等に投資を可能とする2段階方式に移行すること(令和6年1月1日以後)

(2)エンジェル税制の改正

  • ①特定中小会社の株式取得に要した金額の控除およびその譲渡損失の繰越控除について所要の改正がされました。
    • イ. 適用対象会社の範囲に設立後10年未満の金商法に規定する第一種少額電子募集取扱い業務を行う一定の登録を受けた株式会社が追加されたこと
  • ②特定新規中小企業者(中小企業等経営強化法に規定する特定新規中小企業者)についての改正
    • イ. 特定新規中小会社の範囲に設立5年未満の一定の要件を満たす株式会社が追加されたこと
    • ニ. 特定新規中小企業者で設立後1年以上3年未満のものについての試験研究費等割合が5%超に引き上げられたこと(改正前は3%超)
    • ホ. 定款等一定の書類について都道府県知事他管轄官庁又は投資事業有限責任組合への提出が省略されたこと
    • ヘ. 寄附金控除の対象となる特定新規中小会社の払込による取得株式の控除割合の引下げ・・・800万円を限度とすること(改正前は1000万円を限度)

(3)土地・住宅税制の改正

  • ① 低未利用地を譲渡した場合の長期譲渡所得(所有期間5年超)の特別控除の創設
    • …都市計画区域内にある市区町村長の確認がされた低未利用地の長期譲渡につき、譲渡所得の計算上、100 万円を限度として特別控除することができるという制度(土地基本法等の一部を改正する法律の施行の日又は令和2年7月1日のいずれか遅い日から令和4年12月31日までの間にした譲渡について適用され、譲渡年の前年又は前々年にこの特例の適用を受けている場合は適用除外)
  •  

  • ② 配偶者居住権およびその敷地利用権の消滅の対価を受け取った場合の譲渡所得の計算方法についての規定がなされました。

(4)その他

  • ① 国外中古建物(注1)の不動産所得に係る損益通算等の特例(新設) 
    • …国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合、その年分の不動産所得の金額の計算上損失の金額が有るときは、その国外不動産所得の損失の金額(注2)の内、国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は生じなかったものとされること(注3)
      (注1) 中古建物の耐用年数の計算方法は次によること

      • イ. 内国法人税の法定耐用年数の全部を経過している場合
        …法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数としていること
      • ロ. 同法定耐用年数の一部を経過している場合
        …法定耐用年数×20%+未経過年数
      • ハ. 使用可能期間の年数を耐用年数としていること(ただし、国外建物の所在地国の法令における耐用年数を基礎としていること等使用可能期間の年数につき適切であることを証する書類のある場合は除外)

      (注2) 国外中古建物以外の国外にある不動産等から生ずる不動産所得金額が有る場合には当該損失と他の国外不動産所得とを合算してもなお控除しきれない場合の金額をいうこと
      (注3) この適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合の取り扱い

    • …譲渡所得の金額の計算上その取得費から控除される償却費の累計額から、この規定によりなかったものとみなされた償却費相当額を控除すること(取得費に加算すること)
      (国外中古建物に係る規定は、令和3年以後の各年の所得税について適用)
  • ②未婚のひとり親控除の創設
    • …控除額年35万円(寡婦または寡夫であるものを除く)
      (令和2年以後の各年の所得税について適用)
  • ③寡婦または寡夫控除の見直し
    • イ. 全ての寡婦の所得要件に合計所得金額500万円以下であることを追加
    • ロ. 全ての寡婦および寡夫控除要件への追加要件
    • …生計を一にする子の所得要件を48万円以下とする
    • ハ. 寡婦または寡夫控除金額を一律35万円とすること
    • (令和2年以後の各年の所得税について適用)
  • ④国外居住親族に係る扶養控除要件の見直し
    • イ. 控除対象扶養者から年齢30歳以上70歳未満の者を原則として除外すること(次のいずれかに該当する者を除く)
      • ・留学により非居住者となった者
      • ・障害者
      • ・その年に生活費又は教育費として38万円以上受けている者
        (令和5年以後の各年の所得税について適用)
  • ⑤確定拠出年金制度及び農業者年金制度の加入可能要件の見直し
    • イ. 企業型確定拠出年金制度適用の厚生年金被保険者についておよび農業者の国民年金被保険者について、個人型確定拠出年金制度および農業者年金制度への加入をそれぞれ可能とすること
    • ロ. 企業型確定拠出年金加入者について、企業型確定拠出年金の規約の定めなしに個人型確定拠出年金制度への加入を可能とすること
      (以上は確定拠出年金法の改正を前提とする)
  • ⑥雑所得の金額の計算方法および確定申告の見直し
    • イ. その年の前々年分の雑所得の収入金額が300万円以下である場合、「現金主義による所得計算の特例」の摘要ができることとされたこと
    • ロ. その年の前々年分の雑所得の収入金額が300万円を超える場合、現金預金取引等関係書類を起算日から5年間、保存しなければならないこと
    • ハ. その年の前々年分の雑所得の収入金額が1000万円 を超える場合、その収入および必要経費の内容を記載した書類をその確定申告書に添付しなければならないこと
      (令和4年分以後の各年の所得税について適用)
  • ⑦医療費控除の適用を受ける際の添付書類の不添付
    • イ. 医療保険者の医療費の額等を通知する書類
    • ロ. 審査支払機関の医療費の額等を通知する書類
      (令和3年分以後の各年の所得税について令和4年1月1日以降に提出する場合に適用)
  • ⑧住宅ローン控除の適用除外(修正申告)対象となる居住用財産の譲渡に係る特例適用の改正
    • …ローン控除を受けた場合に、新規居住用家屋居住年の翌年以後3年以内の各年中に、旧居住用財産を譲渡し所得の特別控除(3000万円を限度)の摘要を受けた場合にはローン控除は適用されず、すでに控除を受けた場合には修正申告の義務が課されます(令和2年4月1日以後の譲渡より適用されます(旧規定では2年以内とされていました。)。)。

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