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2021.01.07

法人税

令和3年度税制改正 法人税

(1) DX(Digital Trnasformation)投資促進税制の創設

産業競争力強化法の改正施行日(令和3年8月2日)から令和5年3月31日までの間に行われる一定のソフトウェアの新設または増設若しくはソフトウェアの利用(繰延資産に該当するものに限られます。)*1に係る費用(事業適応設備*2)の支出(300億円を上限)を行った場合には次の税制のいずれかが適用されます。

  • *1「資産を賃借しまたは使用するために支出する権利金、立退料その他の費用」(法人税施行令第14条第1項6号)に該当する情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウェアのその利用に係る費用。
  • *2 事業適応計画に従って実施される一定の主務大臣の確認を受けたものの用に供するソフトウェアと共に事業適応の用に供する機械装置および器具備品をいい開発研究用資産は除きます。
  • ①取得価額の30%の特別償却または取得価額の3%(グループ(会社法上の親子会社関係)外事業者との連携の場合は5%)の税額控除(カーボンニュートラル投資促進税制と合わせて当期法人税額の20%を限度とします。)
  • ②繰延資産に該当する場合の支出金額の30%の特別償却または当該繰延資産の3%の税額控除(同上)(適用関係は、産業競争力強化法等改正施行の日から令和5年3月31日までの期間に支出、取得又は製作若しくは建設をした資産が対象となります。)

(2) カーボンニュートラル投資促進税制の創設

青色申告法人が産業競争力強化法の改正施行日から令和6年3月31日までの 間に行われる①中長期環境適応生産性向上設備*1または②中長期環境適応需要開拓製品生産設備*2の取得等をし事業の用に供した場合、その取得価額の50%の特別償却またはその取得価額の5%の税額控除の選択適用ができることとされました(DX投資促進税制と合わせて当期法人税額の20%を限度とします。)。

  • *1 生産工程の効率化による温室効果ガスの削減その他の中長期環境適応に用いられるもの
  • *2 中長期環境適応に用いられる製品であって温室効果ガスの削減に資する事業活動に特に寄与する製品その他我が国事業者による新たな需要の開拓に寄与することが見込まれる製品として主務大臣が定める製品の生産に専ら使用される設備 (適用関係は、産業競争力強化法等改正法施行の日から令和5年3月31日までの期間に取得又は製作若しくは建設をした資産が対象となります。)。

(3) 中小企業投資促進税制の範囲の見直しと適用期限の2年間(令和5年3月31日まで)の延長

  • ①対象となる指定事業に次の事業を加えることとされました。
    …不動産業、物品賃貸業、料亭・バー・キャバレー・ナイトクラブその他これらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限られます。)
  • ②対象となる法人に商店街振興組合を加えることとされました。
  • ③対象資産から匿名組合契約の目的である事業の用に供するものが除外されました。

(4) 中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却または税額控除制度の適用期限(令和3年3月31日)での廃止

(5) 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却または税額控除制度について、経営力向上計画を実現させるための必要不可欠な設備を加えた上適用期限を2年間(令和5年3月31日まで)延長することとされました。

(6) 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却または税額控除制度について追加要件を課すと供に適用期限を2年間(令和5年3月31日まで)延長することとされました。

(7) 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度について、対象法人および対象資産の範囲について見直し措置を講じる(令和5年3月31日までの間の取得)とともに、令和5年4月1日以後の取得資産について特別償却率を18%に引下げる(改正前は20%)こととされました。

(8) 所得拡大促進税制の見直し(中小企業)

  • ① 従来の継続雇用者給与等支給額および継続雇用者比較給与等支給額の増加割合要件を、雇用者給与等支給額および比較雇用者給与等支給額の増加割合要件に見直すこととされました。これにより継続雇用者の比較給与等を基礎とする必要が無くなり計算方法が簡素化されました(適用関係は平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に開始する事業年度を引き継ぐ形で令和5年3月31日まで2年間延長されました(令和3年4月1日開始事業年度より適用)。)。
  • ② 給与等の支給額から控除する「他の者から支払いを受ける金額」(助成金等)について、雇用調整助成金およびこれに類するものの額は控除はしないでその判定をすることとされました。
  • ③ 税額控除率を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇用調整助成金およびこれに類するものの額を控除することとされました。

(9) 中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設(M&A促進税制)

青色申告法人で中小企業者(適用除外事業者を除きます。)に該当するものについて、中小企業等経営強化法の改正法施行日から令和6年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたものが、その認定に係わる経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入した場合に限られます。)をし、かつ取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(取得価額が10億円を超える場合は除きます。)において、その株式等の取得価額の低落による損失に備えるため、当該取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積立金額は当該事年度の損金とすることができることとされました。当該積立額(準備金額)は、当該事業年度の翌日から5年を経過する日を含む事業年度から5年間で均等額を取り崩し益金に算入することとされています。
(産業競争力強化法等改正法施行の日(令和3年8月2日)より適用)

(10) 繰越欠損金の控除上限の特例の創設

青色申告法人で産業競争力強化法の改正法施行日から1年を経過する日までの間に、産業競争力強化法の事業適応計画の認定を受けたもののうち当該事業適応計画に従って同法の事業適応を実施するものの適用事業年度において特例対象欠損金がある場合、当該特例対象欠損金については、欠損金の繰越控除前所得金額の範囲内で損金に算入することができることとされました。

(11) 会社法上の株式交付制度の創設に伴う有価証券の譲渡損益の計上時期

会社法上の株式交付の対価として交付を受けた資産の価額のうち株式交付親会社株式の価額が80%以上である場合、その譲渡した株式に係る譲渡損益の計上を繰り延べる制度が創設されました(所得税も同様とされ、外国法人についての適用は恒久的施設において管理する株式に対応する株式交付に係る部分に限られます。)。
この場合の譲渡損益計上時期について、株式交付の日の属する事業年度とされました(従前は効力発生日等の日の属する日)。(適用関係は、令和3年4月1日以後に行われる株式交付について適用され、同日前に行われた株式交付については従前の通りとされます。)

(12) 寄附金の損金不算入制度の見直し

  • ① 特定公益増進法人等に対する別枠の寄附金の損金産算入限度額について、出資に関する業務に充てることが明らかな寄附金が除外されることとされました。
  • ② みなし寄附金制度について、収益事業以外のために支出した金額のうち隠蔽または仮想したものがある場合には当該支出寄附金額を除外することとされました。
    (適用関係は、令和3年4月1日以後に支出する寄附金の額について適用されます。)

(13) 不正行為に係る費用等の損金不算入

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の改正に伴う、同法の課徴金及び延滞金の損金不算入制度が導入されました。(適用関係は、令和3年8月1日以後に支出する当該支出の額について適用されます。)

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